雑誌 ムジカノーヴァ
ピアノを学ぶ・教える・楽しむ人の雑誌
ムジカノーヴァ 2022年7月号
- 身体にやさしいピアノ奏法/音大の今が知りたい
- 今月の課題曲:バルトーク《子供のために1》より〈2.子供の歌〉
内容紹介
[特集Ⅰ]
身体にやさしいピアノ奏法
音楽家の治療を研究する「日本演奏芸術医学研究会」が設立、7月に設立学術集会が開催され、演奏における身体の使い方についてますます注目が集まっています。そこで特集Ⅰでは音楽関係者の罹患率が高い「ジストニア」という病気に着目し、この病気から逆に学ぶ「無理をせず効率的な練習法」を紹介します。そして「ピアノ骨体操」や「御木本メソッド」に学ぶ身体の構造に沿った自然な奏法等について、専門家に解説いただきます。
◆「ジストニア」から逆に学ぶ 無理をせず効率的な練習法(上杉春雄)
ピアノをたくさん弾くほど脳には変化が起こり、上達すると同時に「ジストニア」にも近づきます。日本ではピアノを弾く人の10万人あたり1000人以上が潜在的な「ジストニア」患者というデータもあります。そこで脳と身体の負担を減らし、しかも効率的な練習方法について、ピアニストで脳神経内科医の上杉春雄先生に解説していただきました。
◆Interview須関裕子 骨を意識して動かすと楽に自由に演奏できる!~身体感覚を研ぎ澄ます骨体操
桐朋学園で体育を指導する矢野龍彦先生が、演奏に応用できる身体の使い方を研究し、古武術の動きをもとに考案した「骨体操」。骨を意識して動かすことで、無駄な力が入りづらくなることが特徴です。今回は、『ピアノ骨体操』の共著者であるピアニストの須関裕子さんに、ピアノを弾く時の効率的な身体の使い方や、おすすめの骨体操を教えていただきました。
◆御木本メソッドのテクニック指導 幼少期からピアニストの手を育てる(藤田 尚)
生徒さんの手や姿勢に関する悩みを解決する方法を、御木本メソッドの講師である藤田奈緒先生に紹介していただきます。よく分かる解説動画付き。
今月のテーマは、「指先に腕の重さを乗せられない」。
[特集Ⅱ]
音大の今が知りたい
特集Ⅱでは音大のピアノレッスンに突撃します! 多様化する音大生を育てる先生方のレッスンとインタビューを通じて、指導者として押さえておきたい「将来を見据えた学び」の最先端をお届けします。
◆国立音楽大学 進藤郁子先生
受講者:石坂雛子さん、レッスン曲:ベートーヴェン《ピアノ・ソナタ第23番「熱情」》第1楽章
◆昭和音楽大学 江口文子先生
受講者:黒木雪音さん、レッスン曲:リスト《バラード第2番 ロ短調》ほか
◆東邦音楽大学 中島裕紀先生
受講者:平林大翔さん、レッスン曲:リスト《バラード第2番 ロ短調》
◆音楽大学 夏のイベント情報
[今月の課題曲]
バルトーク《子供のために1》より〈2.子供の歌〉
(2021年11月号~2022年12月号選曲者:福山奈々)
[トピックス]
◆Report 第15回安川加壽子記念会演奏会
生誕100年 改めて知るその軌跡と教え(小倉多美子)
『メトードローズ』から『ドビュッシー ピアノ曲集』まで、長く愛され続けている楽譜を数多く世に送り出した名ピアニストにして名指導者、安川加壽子さん。その生誕100年を記念して、青柳いづみこさんら門下生が一堂に会して華々しい演奏会が行われました。
◆Report 第2回杉並公会堂ベヒシュタイン室内楽コンクール
ハイレベルな「本選」が好評のうちに終了
予選出場の28組から7組が本選に進み、甲乙つけ難いハイレベルな争いを制して「トリオ・アンダンティーノ」と「Duo Naru(デュオナル)」が最高位に輝きました。
[連載]
学ぶ
◆【不定期新連載】語るひろば 江口文子とみんなで語る音楽の未来(長井進之介/ゲスト:林芳正)
音楽の持つ力とは何でしょうか。この連載では、多くの心豊かな音楽家を育ててきた江口文子先生が、各界で活躍されている音楽を愛する方々をゲストにお迎えし、若い世代とのセッションを交えて音楽の可能性と未来を語り合います。
最初のゲストは、林芳正外務大臣です。大の音楽好きとして知られ、昨年の主要7カ国(G7)外相会合でジョン・レノン《イマジン》を即興演奏したことでも話題になりました。外交の最前線で重責を担う林大臣と江口先生を前に、生徒たちが課題曲を演奏し、曲に込めた想いをプレゼンテーションして対話を深めました。その様子を2回に分けてレポートする前編です。
◆コンクール課題曲にチャレンジ!(パップ晶子)
人気のコンクールの課題曲の中から毎号1曲を取り上げ、その演奏・指導法を詳しく解説していきます。見ながら演奏できる、書き込み楽譜付き。今月は、バルトーク《子供のために1》より〈2.子供の歌〉。
◆演奏が生まれ変わる! 佐藤卓史のソナチネ講座(佐藤卓史)
「ソナチネ」は、基本的な音楽の形式や表現方法を学ぶのに格好の教材ですが、どこか機械的に感じられ、苦手意識を持ってしまう生徒さんも少なくないのではないでしょうか? この連載では、『ソナチネアルバム』の中からよく弾かれる作品を1曲ずつ、全楽章を取り上げ、楽曲の構造を紐解きながら、そこからどのように音楽的表現に結びつけていくのか、ピアニストの佐藤卓史さんに解説していただきます。
第5回は、「クレメンティ:ソナチネ 作品20-1 ①第1楽章」。
◆【隔月連載】私的ベートーヴェン演奏論(仲道郁代)
ピアニストの仲道郁代さんが、ベートーヴェンの楽譜から何をどのように捉え、推理し、音にしていくのか、実際の作品をもとに独自の演奏論を紹介する連載です。今回は、「《ピアノ・ソナタ第6番》~迷いのない若きベートーヴェンの姿」。
◆ブルクの十八番(オハコ)~ブルクミュラー18の練習曲をひもとく~(春畑セロリ)
『25の練習曲』が最も有名で人気を博しているブルクミュラーですが、彼の作曲家生活のもっとも終盤に書かれた『18の練習曲』にこそ、その熟練した筆の力と音楽性がこもっていると言えます。『25』の秘密を知りたければ、指導者にとって『18』をひもとくことは必須ではないでしょうか? そこで、音楽之友社刊の5冊のブルクミュラーの曲集で解説を担当された作曲家の春畑セロリさんが、『18の練習曲』を毎月1曲ずつ取り上げ、その音楽を分かりやすく柔軟に研究していきます。
第6回は「第6曲《おてんば》」です。
◆脳神経内科医のピアニストが解説 知っておきたい ピアノ演奏における脳と身体のしくみ(上杉春雄)
ピアノを弾く人・教える人の間で常に関心の高いテーマの一つである「脳とピアノ演奏の関係」。ピアニストで脳神経内科医の上杉春雄さんに、脳科学の最前線の話題やピアノ演奏に役立つアドバイスなどを、読みやすいエッセイの形で連載いただきます。
第19回は「手指の筋①手の甲の安定」。
◆世界史から読み解く 音楽史(広瀬大介)
18世紀から20世紀に至る世界史の大事件と、それを描いた、あるいはそれに影響を受けた音楽作品にスポットを当てることで、音楽をより深く愉しめるようになる連載。同時代の日本の状況にも目を向け、毎回ミニミニ年表で整理していきます。
今回は、「ヨハネス・ブラームス(3)~晩年の内省的なピアノ小品集」。
◆浄書家が秘訣をご紹介します! 演奏しやすい楽譜を作るテクニック(山田悠人)
いざ楽譜を制作しようとすると、「楽譜の冒頭を空けるのはなぜ?」「タイやスラーの描き分けは?」など、ちょっとした疑問が出てくるのではないでしょうか。連載では、浄書家の山田悠人さんに、楽譜制作のルールや、演奏しやすい楽譜を作るポイントを解説していただきます。
今回のテーマは、「使いやすい楽譜を作るための設定」。
◆イタリア語のニュアンスで理解する きほんの音楽用語(関 孝弘/ラーゴ・マリアンジェラ)
「音楽用語」と呼ばれている単語は、イタリアでは日常会話で使われている言葉です。生活の場面ではどんなときに使うか、本来はどんなニュアンスがあるのかが分かると、音楽用語が身近に感じられ、より生き生きとした演奏になるのではないでしょうか。連載では、初級の楽曲によく出てくる音楽用語を中心にご紹介します。
今月のテーマは、「軽さと重さを表現する音楽用語~Leggero,Pesante,Grave」です。
◆チェルニークリニック(奈良井巳城)
『チェルニー30番』を1曲ずつ解説し、練習の目的、取り組み方、練習法などを徹底解剖していきます。今回は第4番で異常な事態が発生……!?
◆音で遊ぶ ピアノに親しむ はじめての即興演奏(大城依子)
“即興演奏は難しい”というイメージがあるかもしれませんが、まだ楽譜の読めない小さな子も楽しくレッスンできる方法を大城依子先生に教えていただきます。
今回のテーマは、「白と黒」。
教える
◆モンテッソーリ教育からヒントを得た 子どもの自立心とピアノを弾く手 を育てる 手づくりレッスングッズ(大原由紀)
レッスンでモンテッソーリ教育のアイディアを取り入れている大原由紀先生に、その理念に基づいた「手づくりレッスングッズ」をご紹介いただきます。
第2回は、「ピック刺し」。
◆導入期から一人で読めて弾ける子を育てる! あやか先生の読譜指導(永瀬礼佳)
大好評だった連載『入会2年で音大入試問題が解けるようになる!あやか先生の楽典』の著者・永瀬礼佳先生による「読譜指導」の連載。「ド」が分からない生徒が、自宅で一人で読んで弾けるようになるまでの指導の流れやポイントをじっくり解説していただきます。
第3回は、「読譜をスムーズにするための3つのポイント」。
◆バッハ《インヴェンション》が楽しくなるレッスン(福田ひかり)
バッハの《インヴェンション》を実際のレッスンでどのように指導したらよいのか、悩まれる先生は少なくないのではないでしょうか? 生徒の目を輝かせるためには……そこでご提案、子どもが大好きな「謎解き」をレッスンに取り入れてみるのはいかがでしょうか?謎が詰まった《インヴェンション》は、うってつけとも言えます。曲のしくみや歌い方を生徒さんと一緒に探しながら、楽しく創造的なレッスンを目指してみませんか?
今回は、「第10番 ト長調」の後編をお届けします。「ムジカノーヴァYouTubeチャンネル」に筆者による動画の補足解説をアップしています。こちらもぜひご参照ください。
「ムジカノーヴァYouTubeチャンネル」
https://www.youtube.com/channel/UCCws_TIjSvpe23BDvjVBnVg
◆先生像からみえてくる音楽像 作曲家のレッスンを覗いてみたら……(内藤晃)
歴史上の作曲家たちが「先生」としてどんな指導をしていたかを、弟子や友人などの残した言葉から読み解き、それぞれの作曲家の音楽像に近づくヒントを探ります。
第3回は、「師としてのモーツァルト(前編)」。
◆ポピュラー音楽指導塾~リズム力をつけよう!~(佐土原知子)
34年ほど前からポピュラー曲を積極的にレッスンに取り入れてきた著者が、明日のレッスンに使える様々な手法や情報をご紹介する連載。ポピュラーを4つのリズム区分に分け、ジャンル別に「演奏と指導のポイント」をお伝えしていきます。
今回はこれからの季節にぴったりの、サンバのリズム・バリエーションと有名曲をご紹介します!
◆石井なをみ先生の 子どもに教えるベートーヴェン《ピアノ・ソナタ》 おもしろ誌上レッスン(石井なをみ)
ベートーヴェンの《ピアノ・ソナタ》というとレベルの高いイメージが強く、解説書も上級者向けのものばかり。でも、なかには中級レベルの生徒さんが演奏する機会の多い曲も存在します。そこで、この連載ではそれらの曲をピックアップし、その指導法を、数々のコンクールで入賞者を多数輩出されている石井なをみ先生に、自身のレッスンを再現する形でご紹介いただきます。
第4回は、「第7番 第1楽章 ①提示部(第1~124小節)」。
◆ピアノの先生のiPad活用術~動画編集編~(足立由起子)
教室運営やレッスンに役立つiPadを使った動画編集方法を、足立由起子先生に解説していただきます。第6回は、「YouTubeの活用法」。
◆【最終回】練習しない子のための 教材選び(山本美芽)
保護者の協力のもと、家庭で練習をしてくるのが当たり前だった昭和のピアノのレッスン風景は、令和の現代において様変わりしています。子どもも大人も忙しく、ピアノの開始年齢が多様化し、進み具合が年齢ではくくれない時代に。この連載では全12回にわたり、入会から「両手奏」までを一つのゴールとして、現代のピアノ指導者に欠かせない力=「生徒さん一人ひとりに合わせた教材選び」のノウハウをお伝えします。
最終回の第12回は「民謡をメロディーと伴奏で弾けるように」。「ムジカノーヴァYouTubeチャンネル」に筆者による動画の補足解説をアップしています。こちらもぜひご参照ください。
「ムジカノーヴァYouTubeチャンネル」
https://www.youtube.com/channel/UCCws_TIjSvpe23BDvjVBnVg
◆A4一枚でまとめよう! トラブルを未然に防ぐ 教室規約の作り方&運用法(古内奈津子)
あらかじめ教室規約を作っておくことで、思わぬトラブルを防ぐことができます。教室規約を作るときに考えておきたいことや、実際にどのように運用していくとよいか、古内奈津子先生に解説していただきます。
今回のテーマは「実際に規約を作ってみましょう」です。
◆作曲家が贈る 未来のレッスン(樹原涼子/轟千尋/春畑セロリ)
樹原涼子、轟千尋、春畑セロリによる本誌のリレー連載が『ある日、オリーブの丘で』という楽譜になりました。作曲者が自作を題材に、楽譜を通して作曲家と対話し、自分の表現を生み出せるような「未来のレッスン」を提案する、全12曲の贅沢なワークです。
第5回のテーマは「メロディーの再現」で、曲は「朝の歌」(轟千尋作曲)。
楽しむ
◆『アーニャの冒険』11.怪獣ゴラン(田中カレン/ティファニー・ビーク)
国際的に活躍される作曲家の田中カレンさんがお話と音楽を、イギリス人イラストレーターのティファニー・ビークさんがイラストを担当 される大型企画。お話とイラストを巻頭カラーに、楽譜と作曲者による演奏アドバイスを巻末とじ込みにて掲載していきます。
◆Always with music(阪田知樹)
音楽に真摯に向き合い、研鑽を重ねる阪田知樹さんに、いま関心のあることや考えていることについて語っていただきます。
今回のテーマは「旅は音楽観を形成する」。
◆CD&BOOK(長井進之介)
ピアニストであり、音楽ライターである長井進之介さんに、レッスンに役立つCDや書籍の解説をしていただきます。
◆ふたりで弾きたい! ピアノ映えJ-POP連弾(壺井一歩)
子どもにも大人にも人気のJ-POPを、最新曲から王道の曲まで、弾きやすく、かつ「映え」る連弾アレンジでお届けします。レベルは、プリモ・セコンドともにブルクミュラー程度。先生と生徒さん、お友達同士、兄弟姉妹、親子でお楽しみください。
第16回は、あいみょんの《双葉》です。
[巻末とじ込み]
◆楽譜
田中カレン『アーニャの冒険』~11.怪獣ゴラン
◆付録
Piano作曲家カード⑯
ピアノのレッスンによく登場する作曲家を、「バロック」「古典派」「ロマン派」「近現代」のカードも含め、生誕年順に毎月4枚ずつ掲載していきます。裏面には、作曲家の生涯がすぐに分かる「ミニミニ年譜」や、レッスンの小ネタとして使える「Lesson Memo」も掲載。ぜひ、コレクションしてご活用ください。
第16回は、「シベリウス、ブゾーニ、グラナドス、スクリャービン」。
身体にやさしいピアノ奏法
音楽家の治療を研究する「日本演奏芸術医学研究会」が設立、7月に設立学術集会が開催され、演奏における身体の使い方についてますます注目が集まっています。そこで特集Ⅰでは音楽関係者の罹患率が高い「ジストニア」という病気に着目し、この病気から逆に学ぶ「無理をせず効率的な練習法」を紹介します。そして「ピアノ骨体操」や「御木本メソッド」に学ぶ身体の構造に沿った自然な奏法等について、専門家に解説いただきます。
◆「ジストニア」から逆に学ぶ 無理をせず効率的な練習法(上杉春雄)
ピアノをたくさん弾くほど脳には変化が起こり、上達すると同時に「ジストニア」にも近づきます。日本ではピアノを弾く人の10万人あたり1000人以上が潜在的な「ジストニア」患者というデータもあります。そこで脳と身体の負担を減らし、しかも効率的な練習方法について、ピアニストで脳神経内科医の上杉春雄先生に解説していただきました。
◆Interview須関裕子 骨を意識して動かすと楽に自由に演奏できる!~身体感覚を研ぎ澄ます骨体操
桐朋学園で体育を指導する矢野龍彦先生が、演奏に応用できる身体の使い方を研究し、古武術の動きをもとに考案した「骨体操」。骨を意識して動かすことで、無駄な力が入りづらくなることが特徴です。今回は、『ピアノ骨体操』の共著者であるピアニストの須関裕子さんに、ピアノを弾く時の効率的な身体の使い方や、おすすめの骨体操を教えていただきました。
◆御木本メソッドのテクニック指導 幼少期からピアニストの手を育てる(藤田 尚)
生徒さんの手や姿勢に関する悩みを解決する方法を、御木本メソッドの講師である藤田奈緒先生に紹介していただきます。よく分かる解説動画付き。
今月のテーマは、「指先に腕の重さを乗せられない」。
[特集Ⅱ]
音大の今が知りたい
特集Ⅱでは音大のピアノレッスンに突撃します! 多様化する音大生を育てる先生方のレッスンとインタビューを通じて、指導者として押さえておきたい「将来を見据えた学び」の最先端をお届けします。
◆国立音楽大学 進藤郁子先生
受講者:石坂雛子さん、レッスン曲:ベートーヴェン《ピアノ・ソナタ第23番「熱情」》第1楽章
◆昭和音楽大学 江口文子先生
受講者:黒木雪音さん、レッスン曲:リスト《バラード第2番 ロ短調》ほか
◆東邦音楽大学 中島裕紀先生
受講者:平林大翔さん、レッスン曲:リスト《バラード第2番 ロ短調》
◆音楽大学 夏のイベント情報
[今月の課題曲]
バルトーク《子供のために1》より〈2.子供の歌〉
(2021年11月号~2022年12月号選曲者:福山奈々)
[トピックス]
◆Report 第15回安川加壽子記念会演奏会
生誕100年 改めて知るその軌跡と教え(小倉多美子)
『メトードローズ』から『ドビュッシー ピアノ曲集』まで、長く愛され続けている楽譜を数多く世に送り出した名ピアニストにして名指導者、安川加壽子さん。その生誕100年を記念して、青柳いづみこさんら門下生が一堂に会して華々しい演奏会が行われました。
◆Report 第2回杉並公会堂ベヒシュタイン室内楽コンクール
ハイレベルな「本選」が好評のうちに終了
予選出場の28組から7組が本選に進み、甲乙つけ難いハイレベルな争いを制して「トリオ・アンダンティーノ」と「Duo Naru(デュオナル)」が最高位に輝きました。
[連載]
学ぶ
◆【不定期新連載】語るひろば 江口文子とみんなで語る音楽の未来(長井進之介/ゲスト:林芳正)
音楽の持つ力とは何でしょうか。この連載では、多くの心豊かな音楽家を育ててきた江口文子先生が、各界で活躍されている音楽を愛する方々をゲストにお迎えし、若い世代とのセッションを交えて音楽の可能性と未来を語り合います。
最初のゲストは、林芳正外務大臣です。大の音楽好きとして知られ、昨年の主要7カ国(G7)外相会合でジョン・レノン《イマジン》を即興演奏したことでも話題になりました。外交の最前線で重責を担う林大臣と江口先生を前に、生徒たちが課題曲を演奏し、曲に込めた想いをプレゼンテーションして対話を深めました。その様子を2回に分けてレポートする前編です。
◆コンクール課題曲にチャレンジ!(パップ晶子)
人気のコンクールの課題曲の中から毎号1曲を取り上げ、その演奏・指導法を詳しく解説していきます。見ながら演奏できる、書き込み楽譜付き。今月は、バルトーク《子供のために1》より〈2.子供の歌〉。
◆演奏が生まれ変わる! 佐藤卓史のソナチネ講座(佐藤卓史)
「ソナチネ」は、基本的な音楽の形式や表現方法を学ぶのに格好の教材ですが、どこか機械的に感じられ、苦手意識を持ってしまう生徒さんも少なくないのではないでしょうか? この連載では、『ソナチネアルバム』の中からよく弾かれる作品を1曲ずつ、全楽章を取り上げ、楽曲の構造を紐解きながら、そこからどのように音楽的表現に結びつけていくのか、ピアニストの佐藤卓史さんに解説していただきます。
第5回は、「クレメンティ:ソナチネ 作品20-1 ①第1楽章」。
◆【隔月連載】私的ベートーヴェン演奏論(仲道郁代)
ピアニストの仲道郁代さんが、ベートーヴェンの楽譜から何をどのように捉え、推理し、音にしていくのか、実際の作品をもとに独自の演奏論を紹介する連載です。今回は、「《ピアノ・ソナタ第6番》~迷いのない若きベートーヴェンの姿」。
◆ブルクの十八番(オハコ)~ブルクミュラー18の練習曲をひもとく~(春畑セロリ)
『25の練習曲』が最も有名で人気を博しているブルクミュラーですが、彼の作曲家生活のもっとも終盤に書かれた『18の練習曲』にこそ、その熟練した筆の力と音楽性がこもっていると言えます。『25』の秘密を知りたければ、指導者にとって『18』をひもとくことは必須ではないでしょうか? そこで、音楽之友社刊の5冊のブルクミュラーの曲集で解説を担当された作曲家の春畑セロリさんが、『18の練習曲』を毎月1曲ずつ取り上げ、その音楽を分かりやすく柔軟に研究していきます。
第6回は「第6曲《おてんば》」です。
◆脳神経内科医のピアニストが解説 知っておきたい ピアノ演奏における脳と身体のしくみ(上杉春雄)
ピアノを弾く人・教える人の間で常に関心の高いテーマの一つである「脳とピアノ演奏の関係」。ピアニストで脳神経内科医の上杉春雄さんに、脳科学の最前線の話題やピアノ演奏に役立つアドバイスなどを、読みやすいエッセイの形で連載いただきます。
第19回は「手指の筋①手の甲の安定」。
◆世界史から読み解く 音楽史(広瀬大介)
18世紀から20世紀に至る世界史の大事件と、それを描いた、あるいはそれに影響を受けた音楽作品にスポットを当てることで、音楽をより深く愉しめるようになる連載。同時代の日本の状況にも目を向け、毎回ミニミニ年表で整理していきます。
今回は、「ヨハネス・ブラームス(3)~晩年の内省的なピアノ小品集」。
◆浄書家が秘訣をご紹介します! 演奏しやすい楽譜を作るテクニック(山田悠人)
いざ楽譜を制作しようとすると、「楽譜の冒頭を空けるのはなぜ?」「タイやスラーの描き分けは?」など、ちょっとした疑問が出てくるのではないでしょうか。連載では、浄書家の山田悠人さんに、楽譜制作のルールや、演奏しやすい楽譜を作るポイントを解説していただきます。
今回のテーマは、「使いやすい楽譜を作るための設定」。
◆イタリア語のニュアンスで理解する きほんの音楽用語(関 孝弘/ラーゴ・マリアンジェラ)
「音楽用語」と呼ばれている単語は、イタリアでは日常会話で使われている言葉です。生活の場面ではどんなときに使うか、本来はどんなニュアンスがあるのかが分かると、音楽用語が身近に感じられ、より生き生きとした演奏になるのではないでしょうか。連載では、初級の楽曲によく出てくる音楽用語を中心にご紹介します。
今月のテーマは、「軽さと重さを表現する音楽用語~Leggero,Pesante,Grave」です。
◆チェルニークリニック(奈良井巳城)
『チェルニー30番』を1曲ずつ解説し、練習の目的、取り組み方、練習法などを徹底解剖していきます。今回は第4番で異常な事態が発生……!?
◆音で遊ぶ ピアノに親しむ はじめての即興演奏(大城依子)
“即興演奏は難しい”というイメージがあるかもしれませんが、まだ楽譜の読めない小さな子も楽しくレッスンできる方法を大城依子先生に教えていただきます。
今回のテーマは、「白と黒」。
教える
◆モンテッソーリ教育からヒントを得た 子どもの自立心とピアノを弾く手 を育てる 手づくりレッスングッズ(大原由紀)
レッスンでモンテッソーリ教育のアイディアを取り入れている大原由紀先生に、その理念に基づいた「手づくりレッスングッズ」をご紹介いただきます。
第2回は、「ピック刺し」。
◆導入期から一人で読めて弾ける子を育てる! あやか先生の読譜指導(永瀬礼佳)
大好評だった連載『入会2年で音大入試問題が解けるようになる!あやか先生の楽典』の著者・永瀬礼佳先生による「読譜指導」の連載。「ド」が分からない生徒が、自宅で一人で読んで弾けるようになるまでの指導の流れやポイントをじっくり解説していただきます。
第3回は、「読譜をスムーズにするための3つのポイント」。
◆バッハ《インヴェンション》が楽しくなるレッスン(福田ひかり)
バッハの《インヴェンション》を実際のレッスンでどのように指導したらよいのか、悩まれる先生は少なくないのではないでしょうか? 生徒の目を輝かせるためには……そこでご提案、子どもが大好きな「謎解き」をレッスンに取り入れてみるのはいかがでしょうか?謎が詰まった《インヴェンション》は、うってつけとも言えます。曲のしくみや歌い方を生徒さんと一緒に探しながら、楽しく創造的なレッスンを目指してみませんか?
今回は、「第10番 ト長調」の後編をお届けします。「ムジカノーヴァYouTubeチャンネル」に筆者による動画の補足解説をアップしています。こちらもぜひご参照ください。
「ムジカノーヴァYouTubeチャンネル」
https://www.youtube.com/channel/UCCws_TIjSvpe23BDvjVBnVg
◆先生像からみえてくる音楽像 作曲家のレッスンを覗いてみたら……(内藤晃)
歴史上の作曲家たちが「先生」としてどんな指導をしていたかを、弟子や友人などの残した言葉から読み解き、それぞれの作曲家の音楽像に近づくヒントを探ります。
第3回は、「師としてのモーツァルト(前編)」。
◆ポピュラー音楽指導塾~リズム力をつけよう!~(佐土原知子)
34年ほど前からポピュラー曲を積極的にレッスンに取り入れてきた著者が、明日のレッスンに使える様々な手法や情報をご紹介する連載。ポピュラーを4つのリズム区分に分け、ジャンル別に「演奏と指導のポイント」をお伝えしていきます。
今回はこれからの季節にぴったりの、サンバのリズム・バリエーションと有名曲をご紹介します!
◆石井なをみ先生の 子どもに教えるベートーヴェン《ピアノ・ソナタ》 おもしろ誌上レッスン(石井なをみ)
ベートーヴェンの《ピアノ・ソナタ》というとレベルの高いイメージが強く、解説書も上級者向けのものばかり。でも、なかには中級レベルの生徒さんが演奏する機会の多い曲も存在します。そこで、この連載ではそれらの曲をピックアップし、その指導法を、数々のコンクールで入賞者を多数輩出されている石井なをみ先生に、自身のレッスンを再現する形でご紹介いただきます。
第4回は、「第7番 第1楽章 ①提示部(第1~124小節)」。
◆ピアノの先生のiPad活用術~動画編集編~(足立由起子)
教室運営やレッスンに役立つiPadを使った動画編集方法を、足立由起子先生に解説していただきます。第6回は、「YouTubeの活用法」。
◆【最終回】練習しない子のための 教材選び(山本美芽)
保護者の協力のもと、家庭で練習をしてくるのが当たり前だった昭和のピアノのレッスン風景は、令和の現代において様変わりしています。子どもも大人も忙しく、ピアノの開始年齢が多様化し、進み具合が年齢ではくくれない時代に。この連載では全12回にわたり、入会から「両手奏」までを一つのゴールとして、現代のピアノ指導者に欠かせない力=「生徒さん一人ひとりに合わせた教材選び」のノウハウをお伝えします。
最終回の第12回は「民謡をメロディーと伴奏で弾けるように」。「ムジカノーヴァYouTubeチャンネル」に筆者による動画の補足解説をアップしています。こちらもぜひご参照ください。
「ムジカノーヴァYouTubeチャンネル」
https://www.youtube.com/channel/UCCws_TIjSvpe23BDvjVBnVg
◆A4一枚でまとめよう! トラブルを未然に防ぐ 教室規約の作り方&運用法(古内奈津子)
あらかじめ教室規約を作っておくことで、思わぬトラブルを防ぐことができます。教室規約を作るときに考えておきたいことや、実際にどのように運用していくとよいか、古内奈津子先生に解説していただきます。
今回のテーマは「実際に規約を作ってみましょう」です。
◆作曲家が贈る 未来のレッスン(樹原涼子/轟千尋/春畑セロリ)
樹原涼子、轟千尋、春畑セロリによる本誌のリレー連載が『ある日、オリーブの丘で』という楽譜になりました。作曲者が自作を題材に、楽譜を通して作曲家と対話し、自分の表現を生み出せるような「未来のレッスン」を提案する、全12曲の贅沢なワークです。
第5回のテーマは「メロディーの再現」で、曲は「朝の歌」(轟千尋作曲)。
楽しむ
◆『アーニャの冒険』11.怪獣ゴラン(田中カレン/ティファニー・ビーク)
国際的に活躍される作曲家の田中カレンさんがお話と音楽を、イギリス人イラストレーターのティファニー・ビークさんがイラストを担当 される大型企画。お話とイラストを巻頭カラーに、楽譜と作曲者による演奏アドバイスを巻末とじ込みにて掲載していきます。
◆Always with music(阪田知樹)
音楽に真摯に向き合い、研鑽を重ねる阪田知樹さんに、いま関心のあることや考えていることについて語っていただきます。
今回のテーマは「旅は音楽観を形成する」。
◆CD&BOOK(長井進之介)
ピアニストであり、音楽ライターである長井進之介さんに、レッスンに役立つCDや書籍の解説をしていただきます。
◆ふたりで弾きたい! ピアノ映えJ-POP連弾(壺井一歩)
子どもにも大人にも人気のJ-POPを、最新曲から王道の曲まで、弾きやすく、かつ「映え」る連弾アレンジでお届けします。レベルは、プリモ・セコンドともにブルクミュラー程度。先生と生徒さん、お友達同士、兄弟姉妹、親子でお楽しみください。
第16回は、あいみょんの《双葉》です。
[巻末とじ込み]
◆楽譜
田中カレン『アーニャの冒険』~11.怪獣ゴラン
◆付録
Piano作曲家カード⑯
ピアノのレッスンによく登場する作曲家を、「バロック」「古典派」「ロマン派」「近現代」のカードも含め、生誕年順に毎月4枚ずつ掲載していきます。裏面には、作曲家の生涯がすぐに分かる「ミニミニ年譜」や、レッスンの小ネタとして使える「Lesson Memo」も掲載。ぜひ、コレクションしてご活用ください。
第16回は、「シベリウス、ブゾーニ、グラナドス、スクリャービン」。