• ムジカノーヴァ 2022年12月号

雑誌 ムジカノーヴァ

ピアノを学ぶ・教える・楽しむ人の雑誌

ムジカノーヴァ 2022年12月号

  • レッスンの引き出しを増やそう フォルマシオン・ミュジカル アイディア集
  • 今月の課題曲:クーラウ《ソナチネ》Op.55-3 第1楽章
定価
922円 (本体838円+税)
判型・頁数
A4変
発行年月
2022年11月
JANコード
4910085191226
商品コード
182212

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内容紹介

[特集]
レッスンの引き出しを増やそう
フォルマシオン・ミュジカル アイディア集

 フランスで始まった、名曲やよく知られた曲をテキストにして、音楽を幅広い視点から総合的に捉える「フォルマシオン・ミュジカル」が、最近ピアノの先生たちの間でますます注目されています。でも、実際にピアノのレッスンに取り入れる場合、どのような活動をしたらよいのでしょうか?
 この特集では、「フォルマシオン・ミュジカル」が生まれた背景や概要をさらいながら、今学習しているピアノ曲でできる実践的なアイディア、フランス・パリでのレッスン密着レポートなどをご紹介します。

◆ピアノレッスンで「総合的に解釈する力」を育もう~『フォルマシオン・ミュジカル ジュニアのための名曲で学ぶ音楽の基礎』を用いて(舟橋三十子)
 小学校高学年~中学生向けの教材『フォルマシオン・ミュジカル ジュニアのための 名曲で学ぶ音楽の基礎』の執筆者で、長年ソルフェージュ教育に携わっている舟橋三十子先生に、フォルマシオン・ミュジカルの概要や、ピアノのレッスンでできるアイディア、この教材の活用法などを教えていただきました。

◆子どもたちが楽しくレッスンできる フォルマシオン・ミュジカルの実践例(髙田美佐子)
 フォルマシオン・ミュジカルに40年以上にわたって取り組み、子どもたちへの指導経験も豊富な髙田美佐子先生に、ピアノ作品と他の楽器の作品を結び付けて指導する方法や、レッスンの展開方法を教えていただきました。

◆フォルマシオン・ミュジカルの本場フランスより 名門パリ地方音楽院のレッスンに潜入!(船越清佳)
 フランスでは、どの音楽院でも専攻楽器のレッスンと並行して、すべての子どもたちがフォルマシオン・ミュジカルのグループレッスンに参加します。新学期が9月のヨーロッパで、レッスンが始まって1ヵ月ほど経過し、クラスの雰囲気に慣れた子どもたちが少しずつリラックスし始めた10 月初頭に取材しました。

[今月の課題曲]
クーラウ《ソナチネ》Op.55-3 第1楽章
(2021年11月号~2022年12月号選曲者:福山奈々)

[トピックス]
◆ピアニスト鈴木弘尚さんと行く、ヤマハピアノ工場見学レポート編(長井進之介)
 コンサートグランド「CFX」をはじめ、「SX Series」「C3X espressivo」など、多くの人々に愛されるヤマハの音。その秘密は、創業以来の“クラフトマンシップ”と機械工程の見事なバランスにあります。今回はヤマハピアノのふるさとである掛川工場にて、ピアノが造り出される様子を鈴木弘尚さんに見学していただきました。

◆ピアノレッスンや自宅学習にお役立ち WEBサイト「どれみ広場」の教材を活用しよう(荒木淑子)
 小中学校や音楽教室の先生にお役立ちのオリジナル教材・教具を開発販売しているWEBサイト「どれみ広場」。その運営をしている「どれみ教材開発」代表の長岡雅子さんに、同サイトの中でも特にピアノの先生の間で人気のある教材を教えていただきました。

◆Report日本ソルフェージュ研究協議会 第10回ワークショップ「ダルクローズリトミック~身体の動きを通したソルフェージュ」
 2022年9月17日に開催された、日本ソルフェージュ研究協議会の第10回ワークショップでは、ダルクローズリトミックの要素である「リトミック」「即興演奏」「プラスティックアニメ」の3つを軸に、実際に身体を動かしながら講義が行われました。その一部を、レポートでお届けします。

◆Report 青柳いづみこ「安川加壽子生誕100年に寄せて」子どもたちのための発表会プログラムより(小倉多美子)
 今年、生誕100 年を迎えた安川加壽子。これを記念してCD・書籍を刊行したピアニストの青柳いづみこ氏によるコンサートが開催されました。フランス・バロックから近代に及ぶ、幅広い作品が並んだ安川門下発表会を彷彿とさせるプログラムとなりました。

◆人気ワークが商品化トレーニングタイム
 本誌2012年4月号~2014年9月号に連載されていた人気問題集が、ONTOMO ShopからPDFでダウンロードできるようになりました。プリントアウトしてレッスンや自宅での課題などとしてご活用ください。

【ONTOMO Shop 音楽教材PDF】
 https://ontomo-shop.com/?mode=cate&cbid=2092508&csid=2&sort=njVBnVg

◆音大入試楽典で楽譜の“読み取り力”アップ!~「鍵になる和音」を見つけて調判定しよう(菅原真理子)
 楽譜の読解力を確認する音大入試の楽典問題。特に調判定は、多くの生徒が苦手とする分野かもしれません。ただし、「解き方にはコツがある」と菅原真理子先生は言います。音大入試問題研究の第一人者である菅原先生に、調判定をするときの考え方を分かりやすく解説していただきました。
 調判定が得意になると、楽曲分析も楽になるはず……!? ぜひ一緒に解いてみてください!

◆Report 春畑セロリ先生のワークショップ開催! 『カードで、さっきょくゲーム!』『カードで、さっきょくできちゃった!』
 音遊びをしながら創作的な感覚を磨くことのできる、春畑セロリ先生の新しい教材「ゼローリのさっきょく・らぶ・クラブ」シリーズ『カードで、さっきょくゲーム!』『カードで、さっきょくできちゃった!』。この教材をセロリ先生と楽しむ親子向けのワークショップが、益子有里先生主宰のますこぴあの教室で開催されました。ワイワイと熱気あふれる様子をダイジェストでお伝えします

◆バッハやモーツァルトを弾くときに知っておきたい 18世紀の表現 第4回フォルテピアノ・アカデミーSACLAのレッスンから 前編(中嶋恵美子)
 7月に行われたフォルテピアノ•アカデミーSACLA。プロデューサーの小倉貴久子さんとゲスト講師・川口成彦さんによるレッスンから、お二人に共通していた「18世紀の表現」に焦点を当て、譜例を交えてご紹介します。

◆ショパンと交流した貴族の末裔が描き出す“胸熱”のドキュメンタリー 『ショパン プリンス・オブ・ザ・ロマンティックス』(内藤 晃)
 天才的なピアノ音楽の革新者、商売上手、恋愛ではためらいがちな優男――様々な憶測が重ねられ、神話化されてきたショパン。その真の姿を明らかにする新刊が登場しました。本作の面白さに瞠目した内藤晃先生にご紹介いただきます

[連載]
学ぶ
◆コンクール課題曲にチャレンジ!(平井千絵)
 人気のコンクールの課題曲の中から毎号1曲を取り上げ、その演奏・指導法を詳しく解説していきます。見ながら演奏できる、書き込み楽譜付き。今月は、クーラウ《ソナチネ》Op.55-3より第1楽章。
◆【新連載】練習って本当は楽しい! 丹内流トレーニングのススメ(丹内真弓)
 子どもの頃から、ピアノの練習方法を考えるのが大好きだったという丹内真弓先生。子どもから大人まで、自宅で楽しく練習できる方法を教えていただきます。
今回のテーマは、「みるみる指が動くようになる方法」です。
◆演奏が生まれ変わる! 佐藤卓史のソナチネ講座(佐藤卓史)
 「ソナチネ」は、基本的な音楽の形式や表現方法を学ぶのに格好の教材ですが、どこか機械的に感じられ、苦手意識を持ってしまう生徒さんも少なくないのではないでしょうか? この連載では、『ソナチネアルバム』の中からよく弾かれる作品を1曲ずつ、全楽章を取り上げ、楽曲の構造を紐解きながら、そこからどのように音楽的表現に結びつけていくのか、ピアニストの佐藤卓史さんに解説していただきます。
 第10回は、「クーラウ:ソナチネ ハ長調 作品55-1 ①第1楽章」。
◆ブルクの十八番(オハコ)~ブルクミュラー18の練習曲をひもとく~(春畑セロリ)
 『25の練習曲』が最も有名で人気を博しているブルクミュラーですが、彼の作曲家生活のもっとも終盤に書かれた『18の練習曲』にこそ、その熟練した筆の力と音楽性がこもっていると言えます。『25』の秘密を知りたければ、指導者にとって『18』をひもとくことは必須ではないでしょうか? そこで、音楽之友社刊の5冊のブルクミュラーの曲集で解説を担当された作曲家の春畑セロリさんが、『18の練習曲』を毎月1曲ずつ取り上げ、その音楽を分かりやすく柔軟に研究していきます。
第11回は「第11曲《セレナーデ La Sérénade》」です。
◆特別付録 参考音源つきポスター『100選! ピアノ演奏に役立つ 世界のリズムマップ』解説(佐土原知子)
 世界には様々な音楽があふれています。それらはどこで誕生し発展していったのでしょうか? 2022年9月号特別付録ポスターのリズムマップでは、世界各地ゆかりのリズムおよび音楽スタイルと代表曲が、一目でわかるようになっています。ビタミンカラー鮮やかなリズムマップは、レッスン室などに掲示するだけで“音楽の世界旅行”気分が味わえるだけでなく、マップ上の「譜例」や「参考音源」を視聴すれば、さらに目や耳から楽しく理解できるような仕掛けが施してあります。そして、この解説を読めば、自ずとその地域の音楽の歴史も見えてくることでしょう。
 今月は「東アジア諸国」編です。
◆【最終回】イタリア語のニュアンスで理解する きほんの音楽用語(関 孝弘/ラーゴ・マリアンジェラ)
 「音楽用語」と呼ばれている単語は、イタリアでは日常会話で使われている言葉です。生活の場面ではどんなときに使うか、本来はどんなニュアンスがあるのかが分かると、音楽用語が身近に感じられ、より生き生きとした演奏になるのではないでしょうか。連載では、初級の楽曲によく出てくる音楽用語を中心にご紹介します。
 今月のテーマは、「ニュアンスを感じ取り、音楽のファンタジーを広げる」です。
◆世界史から読み解く 音楽史(広瀬大介)
 18世紀から20世紀に至る世界史の大事件と、それを描いた、あるいはそれに影響を受けた音楽作品にスポットを当てることで、音楽をより深く愉しめるようになる連載。同時代の日本の状況にも目を向け、毎回ミニミニ年表で整理していきます。
 今回は、「セルゲイ・ラフマニノフ(1)~《交響曲 第1番》の挫折を乗り越えて」。
◆脳神経内科医のピアニストが解説 知っておきたい ピアノ演奏における脳と身体のしくみ(上杉春雄)
 ピアノを弾く人・教える人の間で常に関心の高いテーマの一つである「脳とピアノ演奏の関係」。ピアニストで脳神経内科医の上杉春雄さんに、脳科学の最前線の話題やピアノ演奏に役立つアドバイスなどを、読みやすいエッセイの形で連載いただきます。 
第24回は「前腕の筋③指の屈筋」。
◆チェルニークリニック(奈良井巳城)
 『チェルニー30番』を1曲ずつ解説し、練習の目的、取り組み方、練習法などを徹底解剖していきます。今回は第9番で、「左手よ! 覚悟せよ!」。
◆音で遊ぶ ピアノに親しむ はじめての即興演奏(大城依子)
 “即興演奏は難しい”というイメージがあるかもしれませんが、まだ楽譜の読めない小さな子も楽しくレッスンできる方法を大城依子先生に教えていただきます。
 今回のテーマは、「S―D―T~長く続けられる即興演奏を!」。

教える
◆モンテッソーリ教育からヒントを得た 子どもの自立心とピアノを弾く手 を育てる 手づくりレッスングッズ(大原由紀)
 レッスンでモンテッソーリ教育のアイディアを取り入れている大原由紀先生に、その理念に基づいた「手づくりレッスングッズ」をご紹介いただきます。
第7回は、「線と間のマグネットボード」。
◆バッハ《インヴェンション》が楽しくなるレッスン(福田ひかり)
 バッハの《インヴェンション》を実際のレッスンでどのように指導したらよいのか、悩まれる先生は少なくないのではないでしょうか? 生徒の目を輝かせるためには……そこでご提案、子どもが大好きな「謎解き」をレッスンに取り入れてみるのはいかがでしょうか?謎が詰まった《インヴェンション》は、うってつけとも言えます。曲のしくみや歌い方を生徒さんと一緒に探しながら、楽しく創造的なレッスンを目指してみませんか?
 今回は、「第3番 ニ長調」の前編をお届けします。
◆7つのキーワードでブルクミュラー『25の練習曲』が無理なく上達!(根津栄子)
 短い中にも様々なテクニックが織り込まれ、ショパンを弾く下地作りにもなるブルクミュラー『25の練習曲』。生徒を無理なく上達させる「24のキーワード」を提案する根津栄子先生が、1曲丸ごとの書き込み楽譜でテクニック7項目によるポイントを紹介します。
 今回は「第4曲《小さな集会》」。
◆先生像からみえてくる音楽像 作曲家のレッスンを覗いてみたら……(内藤晃)
 歴史上の作曲家たちが「先生」としてどんな指導をしていたかを、弟子や友人などの残した言葉から読み解き、それぞれの作曲家の音楽像に近づくヒントを探ります。
第8回は、「師としてのサン=サーンス」。
◆石井なをみ先生の 子どもに教えるベートーヴェン《ピアノ・ソナタ》 おもしろ誌上レッスン(石井なをみ)
 ベートーヴェンの《ピアノ・ソナタ》というとレベルの高いイメージが強く、解説書も上級者向けのものばかり。でも、なかには中級レベルの生徒さんが演奏する機会の多い曲も存在します。そこで、この連載ではそれらの曲をピックアップし、その指導法を、数々のコンクールで入賞者を多数輩出されている石井なをみ先生に、自身のレッスンを再現する形でご紹介いただきます。
 第9回は、「第11番 第1楽章 ③再現部(第127小節~最後)」。
◆御木本メソッドのテクニック指導 幼少期からピアニストの手を育てる(藤田 尚)
 生徒さんの手や姿勢に関する悩みを解決する方法を、御木本メソッドの講師である藤田尚先生に紹介していただきます。よく分かる解説動画付き。
今月のテーマは、「回転を使ったテクニックが苦手」。
◆作曲家が贈る 未来のレッスン(樹原涼子/轟千尋/春畑セロリ)
 樹原涼子、轟千尋、春畑セロリによる本誌のリレー連載が『ある日、オリーブの丘で』という楽譜になりました。作曲者が自作を題材に、楽譜を通して作曲家と対話し、自分の表現を生み出せるような「未来のレッスン」を提案する、全12曲の贅沢なワークです。
第10回のテーマは「黒鍵だけの五音音階」で、曲は「川の向こうには」(樹原涼子作曲)。
◆ピアノの先生のiPad活用術~動画編集編~(足立由起子)
 教室運営やレッスンに役立つiPadを使った動画編集方法を、足立由起子先生に解説していただきます。第11回は、「レッスン動画を編集しよう~アプリ「キネマスター」を使って~」。

楽しむ
◆『アーニャの冒険』16.バルバロ城の兵士たち(田中カレン/ティファニー・ビーク)
 国際的に活躍される作曲家の田中カレンさんがお話と音楽を、イギリス人イラストレーターのティファニー・ビークさんがイラストを担当される大型企画。お話とイラストを巻頭カラーに、楽譜と作曲者による演奏アドバイスを巻末とじ込みにて掲載していきます。
◆CD&BOOK(長井進之介)
 ピアニストであり、音楽ライターである長井進之介さんに、レッスンに役立つCDや書籍の解説をしていただきます。
◆ふたりで弾きたい! ピアノ映えJ-POP連弾(壺井一歩)
 子どもにも大人にも人気のJ-POPを、最新曲から王道の曲まで、弾きやすく、かつ「映え」る連弾アレンジでお届けします。レベルは、プリモ・セコンドともにブルクミュラー程度。先生と生徒さん、お友達同士、兄弟姉妹、親子でお楽しみください。
 第21回は、back numberの《水平線》です。
◆「ムジカノーヴァYouTubeチャンネル」
 https://www.youtube.com/channel/UCCws_TIjSvpe23BDvjVBnVg
 「ムジカノーヴァYouTubeチャンネル」に筆者による連載の補足解説などをアップしています。こちらもぜひご参照ください。

[巻末とじ込み]
◆楽譜
 田中カレン『アーニャの冒険』~16.バルバロ城の兵士たち
 
◆付録 
Piano作曲家カード㉑
 ピアノのレッスンによく登場する作曲家を、「バロック」「古典派」「ロマン派」「近現代」のカードも含め、生誕年順に毎月4枚ずつ掲載していきます。裏面には、作曲家の生涯がすぐに分かる「ミニミニ年譜」や、レッスンの小ネタとして使える「Lesson Memo」も掲載。ぜひ、コレクションしてご活用ください。
 第21回は、「ガーシュウィン、プーランク、ハチャトゥリアン、カバレフスキー」。