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書籍 理論・専門書

歌の本

歌の好きな人と歌が苦手なあなたに

國土潤一

定価
2,090円 (本体1,900円+税)
判型・頁数
A5・144頁
発行年月
2021年3月
ISBNコード
9784276142053
商品コード
142050

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内容紹介

大学・大学院受験、留学、現在教師になってからも「歌うこと」を勉強してきた筆者の、経験と実践から生み出された「歌がうまくなる」コツの集大成。実際に歌の実技を教えていてみるみる上手くなった方法を、惜しげもなく公開する。声楽の生徒や合唱団の指導に応用すると、音楽が飛躍的に変わっていった実際のレッスンをふまえ、無駄な時間をかけず確実に達成させるにはどうしたらいいか、その方法=歌の解釈から練習、完成、発表までを文章で分かり易くまとめた。教える人も、習っている人にも教科書となるもの。単なる発声本でなく、歌の魅力と深さにも触れる本。

目次

この本で伝えたいこと

第1章 「ヴィジョン」編 解釈の深め方
「歌」とは何か?
シューベルトとウェルナーの《野ばら》「音楽」が行うこと
《上を向いて歩こう》のヴィジョン 
 1.歌詞のバック・グラウンド
 2.歌詞を掘り下げる
《翼をください》のヴィジョン
 1.楽譜からわかること
 2.歌詞とリズム
《赤とんぼ》のヴィジョン
 1.詩とメロディの必然性
 ○閑話休題 イメージの多様性について
 2.文化の繁栄を見る
 3.背景となる歴史を理解する
 4.そして、自分なりの情景作りをする
 5. クライマックスの表現のために
《Caro mio ben》のヴィジョン
 1.歌詞の掘り下げ
 2.あくまでも楽譜が基盤
 ○閑話休題 「音痴」について―私の実体験から
《An die Musik》のヴィジョン
 クライマックスの表現のために
動律法について
なぜここまで「解釈」する必要があるのか?
「スタニスラフスキー・システム」について
 ○閑話休題 「才能」について
「音楽性」を鍛える練習
 コンコーネ50番を使って
  ①音階の進行を受け入れる
  ②クレッシェンド、デクレッシェンド
  ③デュナーミクの処理
 コールユーブンゲンを使って 2つと同じフレーズはない
「違う」に気付く魔法の言葉
音楽がすること 歌詞と音楽の関係~『オセロ』と《オテロ》の比較から
「マリア・カラス」から学ぶこと
様式(スタイル)の本質である「よい趣味」への提言
「民族」の違いの課題
「ヴィジョン編」の総括
「ヴィジョン編」の補足『メロ先』について

第2章 「技術」編
Ⅰ:楽典の復習
音符の名前の整理整頓
拍子の名前と構造の整理
 ○閑話休題 日本人のリズム感~「ナンバ歩き」との関連
移動「ド」と固定「ド」の生む混乱
楽語について
 1.イタリア語の速度記号も画一的ではない
 2.日本語表記に要注意!
 ○閑話休題 「楽譜を読めない」とは?
「楽譜を読む」という行為の意味

Ⅱ:「発声」の整理整頓
簡単な発声の話
 1.良い「発声」のスタートライン
 2.舌の根の脱力
「滑舌」について
ジラーレgirareとは?
「ジラーレ」と軟口蓋について
レガートLegatoについて―sul fiatoの意味
さらにレガートを練習する
日本語の「ん」の表現
「鼻濁音」の価値
声のポジションの入れ替え
「腹式呼吸」について
「ヴェリズモ」以前と以降の発声の「進化」
 1.「古い声」のメソード 
 2.「新しい声」のメソード

Ⅲ:脳へのインプット
倍音と耳の感度の話
練習の目的
技術の脳へのインプット
「技術の脳へのインプット」の注意事項
意識と無意識について
意識と無意識の境界線を超える
再び「練習の目的」とは?

第3章 「統合」編
「演奏」への転換
最高の演奏
「ヴィジョン」の醸成―ロケハンの作業
「ヴィジョン」の醸成から「歌」へ
さらに「歌」へのレッスン
「微妙な声の誤差」に気付く
―自分の声の状態を正確に把握するには
「サッバティーニ・メソード」の真価
西洋のメソードと邦楽との接点
音楽にとって一番大切なこと
音楽における「遠近法」の技術を磨く
雑念を払う
「雑念」を払うために練習がある
雑念を払った後に「素敵」が生まれる
「統合」する
あとがき