「チェルニー40番」は「30番」の次に取り組むことが多い。しかし、ピアノ奏法・表現の基本を学ぶ「30番」と比べ、「40番」はより実用的な技術が取り上げられている。各曲の課題は、ベートーヴェンやショパンを演奏する奏法に通じている。本書は、詳細な解説によって「40番」を音楽的に学習する方法を提案する。各曲の技術課題を明らかにし、技術と表現・構成の結びつきを理解する読譜方法を説明して、手・指の無駄のない動かし方を解説する。本書によって、読譜力と技術力の両面を養えば、今後、様々な様式の学習に発展していくことができる。末吉保雄が読譜のポイントや各曲の課題・構成について解説し、上杉春雄が、手の構造や筋肉から考える合理的な奏法、音楽的で効率のよい学習方法を解説する。