• ベートーヴェンの第9交響曲

書籍 理論・専門書

ベートーヴェンの第9交響曲

分析・演奏・文献

シェンカー 著/西田紘子沼口隆

定価
5,280円 (本体4,800円+税)
判型・頁数
A5・408頁
発行年月
2010年3月
ISBNコード
9784276130289
商品コード
130280

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内容紹介

 本書は、オーストリアの音楽理論家ハインリヒ・シェンカー(1868-1935)が、ベートーヴェンの第9交響曲を分析した研究書の全訳である。印象批評を廃し、楽譜を読み込むことで作品の内容を解き明かしていく著者の姿勢は、本書を読んだ若き日のフルトヴェングラーにも深い感動を与えた。楽曲分析とはどのような作業か?分析した結果を実際の演奏に生かすにはどうすればよいか?分析を誤るとどういう結論に導かれるのか?本書は読者にさまざまなことを教えてくれる。
 原書の出版は1912年であるが、現在に至るまで「第9」全4楽章の楽曲構造をこれほど詳細に分析した書物はほかに見当たらない。さらに分析結果を踏まえた具体的な演奏の手引きと、主要な文献への批判も充実している。批判の対象となったワーグナーやワインガルトナーの著述から適宜引用がなされているので、彼らの「第9」観も同時に見えてくる。日本語版の翻訳は、シェンカー研究者とベートーヴェン研究者の2人でおこなっている。多数の訳注に加え、巻頭の「日本語版のための凡例」「シェンカーの用語集」、巻末の「シェンカーの著作一覧」「解題」を読めば、本書の理解がさらに深まるだろう。450を超える多数の譜例についても原書の誤りを訂正し、第2・4楽章でシェンカーが独自に付している小節番号には、より一般的な楽譜の小節番号を併記した。
 専門の研究者はもちろん、「第9」を演奏してみよう、聴いてみようとするすべての人にお勧めする一冊。

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目次

日本語版のための凡例
シェンカーの用語集



■第1楽章 第1楽章構造図

●第1部分・第1楽想 導入部/前楽節/後楽節/転調部(演奏/文献)
       ・第2楽想 a部分/b部分/c部分(演奏/文献)
       ・第3(結尾) 楽想演奏/文献
●第2部分(展開部)
      全般的な構想/推移部/第1区分/第2区分/第3区分/第4区分(演奏/文献)
●第3部分 再現部(演奏/文献)/コーダ(演奏/文献)

■第2楽章 第2楽章構造図
●主要部分・主要部分の第1部分 導入部/第1楽想(前楽節/後楽節/転調)/第2楽想/第3楽想(カデンツ)/主調への回帰(演奏/文献)
       ・主要部分の第2部分(展開部)転調の進展/第1小節群/第2小節群/第3小節群/第4小節群/第5小節群/第6小節群(演奏/文献)
       ・主要部分の第3部分再現部/展開部のくり返しへの推移/コーダ(演奏/文献)
●トリオ 第1部分a1/第2部分b/第3部分a2/コーダ(演奏/文献)

■第3楽章 第3楽章構造図 導入部/主題(中間主題)/第1変奏(中間主題のくり返し/第2変奏への自由な推移部)/第2変奏/コーダ(演奏/文献)

■第4楽章 第4楽章構造図 全般について
●第1区分・第1部分 レチタティーヴォ/主題/第1変奏/第2変奏/第3変奏/コーダ/転調
       ・第2部分 レチタティーヴォ/第1(4)変奏/第2(5)変奏/第3(6)変奏と推移部/第4(7)変奏(主調回帰に向けた転調)/第5(8)変奏(演奏/文献)
●第2区分 第1小節群/第2小節群/第3小節群(演奏/文献)
●第3区分(Ⅲa)二重フーガ/レチタティーヴォと推移部(演奏/文献)
●第4区分(Ⅲb)第1小節群/第2小節群/第3小節群(演奏/文献)
●第5区分(Ⅲc)第1小節群/第2小節群/第3小節群(演奏/文献)

シェンカーの著作一覧
解題
訳者あとがき