内容紹介
あの名曲の背景には、こんな「ヒミツ」があった! ヨーロッパの歴史とは切っても切れない密接な関係を持っているのがクラシック音楽。青山学院大学教授である音楽学者・音楽評論家で歴史にも造詣の深い著者が、知れば知るほどクラシック音楽をもっと愉しめる世界史の知識を親しみやすく綴る。急激に進化・変化を遂げる古典派の時代から20世紀半ばにかけてのクラシック音楽と、同時期のヨーロッパにおける政治や社会・思想の歴史との関係を解きほぐすことで、名曲のほんとうの意味が明かされる。巻末の年表では、音楽史、世界史を対比させるとともに、日本史も併記して時代の姿を立体的に描き出す。《魔笛》の謎を解く鍵は「啓蒙思想」? 《冬の旅》は「自由主義」への渇望? 《スラヴ舞曲》は民族融和策から生まれた? ヴェルディは統一イタリアの英雄? ワーグナーが加担した革命とは?――そして、その頃日本では……
目次
まえがき
■第1章 啓蒙主義時代
貴族社会から市民社会へ
啓蒙主義:モーツァルト《魔笛》
現代社会の基礎となった「啓蒙主義」
音楽史に影響を与えた啓蒙専制君主
〈1〉プロイセンのフリードリヒ大王
〈2〉オーストリアのヨーゼフ2世
啓蒙主義時代・最大の問題作――モーツァルト《フィガロの結婚》
ハプスブルク帝国の「検閲」制度――作曲家が苦しめられた「文化政策」
■第2章 変わりゆくヨーロッパ社会
言葉を伴う歌曲やオペラは厳しい検閲の対象へ
ナポレオンの栄枯盛衰にみるベートーヴェンの理想と現実
《交響曲第9番》に込められた変わりゆく社会へのメッセージ
庶民オペラとは流れを別にした風変わりな新曲《第九》の誕生
帝室と関わりを持たぬ時代の作曲家――1820年代、シューベルトの場合
■第3章 フランスの音楽の新たな局面
ブルボン王朝の残照とロッシーニの傑作オペラ
ベルリオーズが最も輝いた七月王政のブルジョワ文化
ポーランドは実質的にロシアの属国に
フレデリック・ショパン
〈1〉独立を奪われたポーランドと若きショパンの活躍
〈2〉ショパンが祖国ポーランドヘ寄せる想い:バラードの場合
〈3〉ジョルジュ・サンドとショパンの愛
〈4〉愛の終わり、そして人生の終わり〕
■第4章 近代的国民国家へと向かうドイツ
ザクセン王国が音楽的に充実した時代
ユダヤ教とキリスト教のはざまで――フェリックス・メンデルスゾーン=バルトルディ
フランツ・リスト、またはリスト・フェレンツ
〈1〉「国際人」としてヨーロッパに生きる
〈2〉ヨーロッパの行く末を変えた「二月革命」
〈3〉オーストリア=ハンガリー二重帝国の成立とハンガリーの音楽教育
ロベルト・シューマン
〈1〉ピアノ曲で紡いだ若き日の想い出
〈2〉シューマンにとっての「二月革命」とその後
■第5章 ヴェルディとワーグナー
ジュゼッペ・ヴェルディ
〈1〉イタリア独立運動のはじまり
〈2〉イタリア王国の誕生
リヒャルト・ワーグナー
〈1〉ドレスデン宮廷楽長から政治犯ヘ
〈2〉作曲家の保護者ルートヴィヒ2世
〈3〉バイロイト祝祭劇場と《ニーベルングの指環》
■第6章 オペレッタを育んだパリとウィーン
オペレッタを育んだ二大都市、パリとウィーン
〈1〉フランス第二帝政とオッフェンバック
〈2〉《地獄のオルフェ》の大成功〕
東の帝都ウィーンーーオッフェンバックとヨハン・シュトラウス2世の出会い
ヨハン・シュトラウス2世の《こうもり》と落日のウィーン
■第7章 東ヨーロッパの胎動
ロシア音楽の夜明け
〈1〉ロマノフ王朝と近代ロシア音楽の祖・グリンカ
〈2〉ロシアの二つの音楽院とチャイコフスキーのピアノ協奏曲
チェコ王国の盛衰と19世紀の音楽
〈1〉ベドルジフ・スメタナ
〈2〉アントニン・ドヴォルザーク
■第8章 普仏戦争以降のフランスとドイツ
普仏戦争の終結とドイツ帝国の成立
普仏戦争以降のフランスとドイツ
〈1〉初の国民国家誕生に沸くドイツ
〈2〉サン=サーンス、フランクと国民音楽協会
ヨハネス・ブラームス
〈1〉作曲家が愛した故郷ハンブルク
〈2〉交響曲への苦闘と新天地ウィーン
〈3〉晩年の内省的なピアノ小品集
クロード・ドビュッシー
〈1〉フランス第三共和政の時代
〈2〉20世紀ピアノ音楽の祖
■第9章 二つの世界大戦と作曲家
モーリス・ラヴェル
〈1〉フランス近代音楽を切り拓いた立役者
〈2〉大局的な視点をもった音楽家
セルゲイ・ラフマニノフ
〈1〉《交響曲第1番》の挫折を乗り越えて
〈2〉世相と作曲家の内面をえぐり出す傑作
ドミトリ・ショスタコーヴィチ《バビ・ヤール》
ベンジャミン・ブリテンとリヒャルト・シュトラウスの紀元二千六百年奉祝曲
バーンスタイン《キャンディード》
知識をさらに拡げるための参考文献
あとがき
音楽史・世界史・日本史総合年表
索引
音楽作品名
人名
地名・国名
事項
■第1章 啓蒙主義時代
貴族社会から市民社会へ
啓蒙主義:モーツァルト《魔笛》
現代社会の基礎となった「啓蒙主義」
音楽史に影響を与えた啓蒙専制君主
〈1〉プロイセンのフリードリヒ大王
〈2〉オーストリアのヨーゼフ2世
啓蒙主義時代・最大の問題作――モーツァルト《フィガロの結婚》
ハプスブルク帝国の「検閲」制度――作曲家が苦しめられた「文化政策」
■第2章 変わりゆくヨーロッパ社会
言葉を伴う歌曲やオペラは厳しい検閲の対象へ
ナポレオンの栄枯盛衰にみるベートーヴェンの理想と現実
《交響曲第9番》に込められた変わりゆく社会へのメッセージ
庶民オペラとは流れを別にした風変わりな新曲《第九》の誕生
帝室と関わりを持たぬ時代の作曲家――1820年代、シューベルトの場合
■第3章 フランスの音楽の新たな局面
ブルボン王朝の残照とロッシーニの傑作オペラ
ベルリオーズが最も輝いた七月王政のブルジョワ文化
ポーランドは実質的にロシアの属国に
フレデリック・ショパン
〈1〉独立を奪われたポーランドと若きショパンの活躍
〈2〉ショパンが祖国ポーランドヘ寄せる想い:バラードの場合
〈3〉ジョルジュ・サンドとショパンの愛
〈4〉愛の終わり、そして人生の終わり〕
■第4章 近代的国民国家へと向かうドイツ
ザクセン王国が音楽的に充実した時代
ユダヤ教とキリスト教のはざまで――フェリックス・メンデルスゾーン=バルトルディ
フランツ・リスト、またはリスト・フェレンツ
〈1〉「国際人」としてヨーロッパに生きる
〈2〉ヨーロッパの行く末を変えた「二月革命」
〈3〉オーストリア=ハンガリー二重帝国の成立とハンガリーの音楽教育
ロベルト・シューマン
〈1〉ピアノ曲で紡いだ若き日の想い出
〈2〉シューマンにとっての「二月革命」とその後
■第5章 ヴェルディとワーグナー
ジュゼッペ・ヴェルディ
〈1〉イタリア独立運動のはじまり
〈2〉イタリア王国の誕生
リヒャルト・ワーグナー
〈1〉ドレスデン宮廷楽長から政治犯ヘ
〈2〉作曲家の保護者ルートヴィヒ2世
〈3〉バイロイト祝祭劇場と《ニーベルングの指環》
■第6章 オペレッタを育んだパリとウィーン
オペレッタを育んだ二大都市、パリとウィーン
〈1〉フランス第二帝政とオッフェンバック
〈2〉《地獄のオルフェ》の大成功〕
東の帝都ウィーンーーオッフェンバックとヨハン・シュトラウス2世の出会い
ヨハン・シュトラウス2世の《こうもり》と落日のウィーン
■第7章 東ヨーロッパの胎動
ロシア音楽の夜明け
〈1〉ロマノフ王朝と近代ロシア音楽の祖・グリンカ
〈2〉ロシアの二つの音楽院とチャイコフスキーのピアノ協奏曲
チェコ王国の盛衰と19世紀の音楽
〈1〉ベドルジフ・スメタナ
〈2〉アントニン・ドヴォルザーク
■第8章 普仏戦争以降のフランスとドイツ
普仏戦争の終結とドイツ帝国の成立
普仏戦争以降のフランスとドイツ
〈1〉初の国民国家誕生に沸くドイツ
〈2〉サン=サーンス、フランクと国民音楽協会
ヨハネス・ブラームス
〈1〉作曲家が愛した故郷ハンブルク
〈2〉交響曲への苦闘と新天地ウィーン
〈3〉晩年の内省的なピアノ小品集
クロード・ドビュッシー
〈1〉フランス第三共和政の時代
〈2〉20世紀ピアノ音楽の祖
■第9章 二つの世界大戦と作曲家
モーリス・ラヴェル
〈1〉フランス近代音楽を切り拓いた立役者
〈2〉大局的な視点をもった音楽家
セルゲイ・ラフマニノフ
〈1〉《交響曲第1番》の挫折を乗り越えて
〈2〉世相と作曲家の内面をえぐり出す傑作
ドミトリ・ショスタコーヴィチ《バビ・ヤール》
ベンジャミン・ブリテンとリヒャルト・シュトラウスの紀元二千六百年奉祝曲
バーンスタイン《キャンディード》
知識をさらに拡げるための参考文献
あとがき
音楽史・世界史・日本史総合年表
索引
音楽作品名
人名
地名・国名
事項