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書籍 評論・読み物

ある「完全な音楽家」の肖像

マダム・ピュイグ=ロジェが日本に遺したもの

船山信子

定価
4,290円 (本体3,900円+税)
判型・頁数
4-6・392頁
発行年月
2003年2月
ISBNコード
9784276201378
商品コード
201370

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内容紹介

パリ国立高等音楽院で6つのプリ(一等賞)をとるなどの伝説を残し、オルガニスト、ピアニスト、作曲家、教育者として君臨していたアンリエット・ピュイグ=ロジェが、東京芸術大学の招聘に応じて訪日したのは1979年69歳のときのこと。その後、死の1年前までの12年間、文字どおりこの国に骨をうずめて後進の指導にあたり、日本の音楽界にはかり知れない影響を残した。本書では、彼女の遺稿やインタヴューなどをまとめ、永冨正之、野平一郎、藤井一興、藤田厚生ら、もっとも近くで彼女の薫陶を受けた愛弟子たちが、彼女の多面的な肖像を描く。日本での演奏会、公演などの記録も掲載。

目次

序文 ポリーヌ・ピュイグ

第1部 日本人へのメッセージ ピュイグ=ロジェ遺稿集成

一.音楽論・音楽教育論

 ピアノ教育への提言/ピアノ伴奏について/室内楽への提言―アンサンブルについて/静寂――忘れられ通俗化されてしまったこの恵み/楽譜から生きた音楽を創り出す技術としてのソルフェージュを/先生からひと言/日本人と音楽/『ピュイグ=ロジェ ピアノ教本――古典の巨匠とともに』序文/ピアノ教育のための“不愉快な”助言/公開講座/公開レッスン/基礎教育について/ソルフェージュとは何か/音楽とは何か

二.インタヴュー・スピーチ
 
 わが友オリヴィエ――二十世紀のステンドグラスの輝き/幼児への押し付けは無意味/心で聴く/ピアノ・レッスンは愛と実です/ピュイグ=ロジェ、音楽を語る/「第一回京都フランス音楽アカデミー」開会式挨拶/「第二回京都フランス音楽アカデミー」開会式挨拶/音楽は夢への扉

三.作曲家論・作品論

 ソナタの夕べ/ピュイグ=ロジェ フランス音楽――ヴァイオリンとピアノのための夕べ/オネゲルのいくつかの想い出/フランス ピアノ音楽のエスプリ/三上明子フルート・リサイタル――H・ピュイグ=ロジェ教授を迎えて/フランスにおけるポスト=ロマンティックの三つのソナタ/バッハとショパンの即興性について/フランス音楽の夕べ――サティ、六人組からH・ソーゲまで/白と黒の旅路――ピアノ音楽の国めぐり/ロシア・アヴァンギャルドの音楽――ヴィシネグラツキーの四分音音楽/三上明子/ビリティスの詩

第2部 弟子から見たピュイグ=ロジェ パリ/東京の教育現場から
 
 ピュイグ=ロジェの教育の原点――パリ国立高等音楽院ピアノ伴奏科のメトード(野平一郎)/ピュイグ=ロジェのソルフェージュ教育の真髄――演奏活動の現場から(藤井一興)/東京芸術大学客員教授としての十二年の軌跡(永冨正之)/演奏家ピュイグ=ロジェの横顔(藤田厚生)

エッセイ “マダム・ラ・バロンヌ”の想い出――舞台裏のアンリエット ジャーク・プズー=マサビュオ

ある「完全な音楽家」の肖像 マダム・ピュイグ=ロジェの八十二年(船山信子)

あとがき(船山信子)/作品表/ディスコグラフィ/日本における演奏会記録/
日本における講演/レクチャー・コンサート/公開レッスン記録/略年譜