2022.08.05
島添貴美子著『民謡とは何か?』が小島美子・藤井知昭記念日本民俗音楽学会賞受賞!
島添貴美子(しまぞえ・きみこ)
(富山大学教授)
(富山大学教授)
【選評】
本書は、地域伝承としての伝統的な民謡の在り方と、現代の民謡をめぐる実際の状況との矛盾という、民俗音楽研究が抱える問題の核心に迫る鋭い視点を提示している。民謡の現状と地域の伝承の実態、民謡の背景と現在の生活との乖離などに着眼し、課題を提起する優れた書籍と言える。
また、民謡とは何かという古くからの問題を改めて俎上にのせ、「民謡」の定義の本質に切り込む意欲的な試みでもある。研究史について緻密に再検討した点が学術的に優れている。さらに、こうした民謡のとらえ方は、音楽教育における授業開発での教材性への示唆など、実践研究への有用性も期待される。
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