雑誌 ムジカノーヴァ
ピアノを教える人、学ぶ人の雑誌
ムジカノーヴァ 2020年11月号
- 今どきの 発表会開催マニュアル
- 今月の課題曲: ハイドン ソナタ Hob.XVI/G1 第1楽章
内容紹介
[特集]
今どきの 発表会開催マニュアル
◆オンライン発表会を検討されている方へ~企画のヒントとアプリの最新事情(智内威雄)
オンライン発表会の実施を検討されている方へ、その方向性を決める際に役立つ分類法と、最近音楽用にアップデートされたZoomの高音質モード設定法を解説します。
◆オンライン発表会の心得と生徒・保護者が観たくなる演出のアイディア(加山佳美)
オンライン発表会を成功に導くためには、まずは本来の発表会と同様、開催の「目的」を持つことと、その目的に合った形式で開催することが大切です。その目的の考え方や、オンライン発表会の種類、失敗例から学ぶ注意点、演出のアイディア等を、オンライン発表会のセミナーを開催している加山佳美先生に教えていただきました。
◆初心者でも簡単! スマホでできる オンライン発表会のための動画編集マニュアル(加山佳美)
オンライン発表会の一つに、演奏動画を編集したものを配信する形があります。そこで、初心者でも簡単にできる、スマホアプリ「VLLO」を使った動画編集の方法を、画像付きで分かりやすくご紹介します。
◆こんな発表会も! 心ときめく野外発表会〜その舞台裏をご紹介します(大道友萌子)
今年の夏に野外で発表会を開催した大道友萌子先生に、その準備方法や野外ならではの対策、演出の仕方などを教えていただきました。
◆リアル発表会 開催マニュアル(中西美江)
ホールで発表会を開催する場合、どのようなことに気をつけたらよいでしょうか。これまでの発表会との違いと対策、保護者への伝え方、今だからこそできる演出の例を、中西美江先生にご紹介いただきました。
◆コンサートホールと協力して行う ピアノ発表会の感染予防対策
ホールでの感染予防対策の参考になるのが、クラシック音楽公演運営推進協議会が策定する「クラシック音楽公演における新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」(9月18日改定版)です。その中から、ピアノ発表会に関連する項目を抜粋。日本クラシック音楽事業協会・会長の入山功一さんにもコメントをいただきました。
◆リアル発表会のライブ配信マニュアル(足立由起子)
YouTubeライブや、Instagramを使った配信方法を、各地でセミナーを開催している足立由起子先生にご執筆いただきました。
[今月の課題曲]
(2020年11月号~2021年2月号選曲者:齊藤浩子)
ハイドン《ソナタ Hob.XVI/G1》第1楽章
[トピックス]
◆Reportロン=ティボー=クレスパン 国際音楽コンクール・ガラ・コンサート(上田弘子)
昨年11月にパリで開催されたロン=ティボー=クレスパン国際音楽コンクール・ピアノ部門で、三浦謙司さんと務川慧悟さんが1位・2位を占める嬉しいニュースがありました。その凱旋公演とも言えるガラ・コンサートが、コロナ禍による延期を経て9月に開催。次世代を担う二つの個性が煌めいたこの公演の模様を詳しくレポートします。
◆「聴く力」を育てるウィレムス・メソッド(若林一惠)
よい演奏家、よい聴き手になるためには、よい耳を育てることが大切です。よい耳をもつ音楽愛好家が増えれば未来の音楽文化が豊かなものになるはずで、ここでピアノ指導者が大きな役割を果たします。どうすれば意識的に耳を使い、よい耳を育てることができるのでしょうか?一つの方法として、20世紀の音楽教育家エドガー・ウィレムスのメソッドをご紹介します。日本ではまだほとんど知られていないその教育思想やメソッドの概要を、ウィレムスの研究で博士号を取得した若林一惠さんに、10月号・11月号の2回にわたって解説していただきます。今回のテーマは「ウィレムス・メソッドの実践」。
◆リレー・スピリッツ、ここにあり~楽譜『リレー連弾 ワールドセレクション』のご紹介~(春畑セロリ)
リレー連弾の楽曲のみを集めた『ワールドセレクション』。その名の通り、世界の歌や踊りの曲が満載です。作曲者の春畑セロリさんに、楽譜の内容を解説していただきました。
[連載]
◆【最終回】ピアノレッスンのトリセツ!(佐野由美子)
初めてピアノを習う生徒や保護者に向けて、レッスンの“取扱説明書”をベテラン指導者の佐野由美子先生に作成していただきます。今回のテーマは「もうすぐ発表会」です。
◆【新連載】コンクール課題曲にチャレンジ!(小倉貴久子)
人気のコンクールの課題曲の中から毎号1曲を取り上げ、その演奏・指導法を詳しく解説していきます。見ながら演奏できる、カラーの書き込み楽譜付き。今月は、「第53回 カワイ音楽コンクール Cコース(小学6年生以下)【予選会】」より、ハイドン《ソナタ ト長調 Hob.XVI/G1》第1楽章。
◆角野隼斗の 令和の音楽ライフ(角野隼斗)
これまでの「ピアニスト」のイメージに留まらない角野隼斗さんが、様々な音楽活動をする中で、日々考えていることや感じたことなどを綴っていただきます。
今回は「広く浅くか、狭く深くか」。
◆【隔月連載】私的ベートーヴェン演奏論(仲道郁代)
ピアニストの仲道郁代さんが、ベートーヴェンの楽譜から何をどのように捉え、推理し、音にしていくのか、実際の作品をもとに独自の演奏論を紹介する連載。
今回は、あたかもクエスチョンを繰り返しているような始まりの第18番を取り上げ、ベートーヴェンの人生劇場として謎解きをしていきます。
◆なんでピアノを弾くと疲れるの?左手のピアニストが見る 正しい奏法(智内威雄)
左手のピアニストの智内威雄さんが、奏法の問題解決の研究者、プライベートや音大でレッスン・奏法を教える指導者、また演奏家としての視点から、「演奏」について実践的なアドバイスを綴ります。
今回のテーマは「脱力演奏第3段階までの復習と第4段階について」。
◆生徒を変身させる 24のキーワード(根津栄子)
「こどものスケール・アルペジオ」の著者としても知られる根津栄子先生に、テクニック・表現・ステージマナーの3分野にわたり、生徒を無理なく上達させるコツを分かりやすいキーワードの形でご紹介いただきます。今月のキーワードは、「9.よい音はよい姿勢から(88鍵?それとも44鍵?)」。
◆【連載】生徒と一緒に謎解きしよう バッハ《インヴェンション》が楽しくなるレッスン(福田ひかり)
バッハの《インヴェンション》を実際のレッスンでどのように指導したらよいのか、悩まれる先生は少なくないのではないでしょうか?生徒の目を輝かせるためには……そこでご提案、子どもが大好きな「謎解き」をレッスンに取り入れてみるのはいかがでしょうか?謎が詰まった《インヴェンション》は、うってつけとも言えます。曲のしくみや歌い方を生徒さんと一緒に探しながら、楽しく創造的なレッスンを目指してみませんか?
今月は、先月号で取り上げた第1番の続編をお届けします。
◆世界史から読み解く 音楽史(広瀬大介)
18世紀から20世紀に至る世界史の大事件と、それを描いた、あるいはそれに影響を受けた音楽作品にスポットを当てることで、音楽をより深く愉しめるようになる連載。同時代の日本の状況にも目を向け、毎回ミニミニ年表で整理していきます。今回は、「イタリア独立運動 ジュゼッペ・ヴェルディ〈1〉」。
◆ピアノをめぐる情景(青澤隆明)
音楽評論家として活躍する著者が、『ムジカノーヴァ』読者に向けて厳選したディスク、ピアニスト、コンサート等について綴ります。読後はピアノについてもっともっと知りたくなるエッセイです。
◆ピアノテーマパーク~バロックから近現代のやさしい名曲の背景をたどる~(江口文子)
「つながる音切れる音」「両手の対話」「リズムと踊り」「色と形と構成」の4つのテーマごとに、4期の名曲を集めた楽譜『4期のピアノテーマパーク』(江口文子先生監修)と連動した連載です。「自由な気持ちが音楽のはじまり」「心に浮かんだイメージを大切に育ててほしい」という、江口先生の思いが詰まったページです。創作漫画ユニット・留守keyさんによる、4期の特徴が分かるイラストも魅力。
第7回は、「フンメルのスケルツォ」です。
◆教えながら学ぶ アナリーゼ入門(西尾 洋)
楽譜が読め、旋律が歌え、鍵盤が理解できるのと同じくらいに、弾いている作品の「その作品らしさ」に迫る方法を生徒が身に付けられたら、音楽はきっと一生の心の友になるでしょう。「教えながら学ぶ」ことをコンセプトとして、やさしい曲や人気のある曲を中心に、自力で作品に近づく方法を懇切丁寧に紐解いていきます。
第4回は、「ベートーヴェン――ロマン派ソナタの原型を作った男」です。
◆根源的なテーマから学びを深める 樹原涼子の誌上マスタークラス(樹原涼子)
『ピアノランド』シリーズの著者がこれまでの研究で発見したこと、伝えたいと思うテーマを一つずつ丁寧に掘り下げる講座「樹原涼子のマスタークラス」と連動した連載。根源的なテーマから、今一度音楽との向き合い方を深く考えていきます。第4回は「ピアノで歌う力」です。
◆自己解決能力が高まる ばばっち先生のしつもんプログラム~ワーク付(馬場一峰)
しつもんに答えることで、レッスンの悩みを自己解決できるようになる、馬場一峰先生のプログラムです。今回のテーマは、「保護者が子どもたちに毎日、家での練習をさせてくれません……」です。
◆初級のピアノテクニック きほんのき(松本倫子)
これまでの導入期のテクニック指導から一歩進んで、初級の子どもたちに指のテクニックをどう教えるかを詳しくお伝えしていく連載。今月のテーマは、「正統的な練習曲で確実なテクニックを『チェルニー』と『ル・クーぺ』」。
◆ピアニストのパリ日記(丸山凪乃)
国際コンクールで受賞を重ね、ヨーロッパを拠点に多くのコンサートやフェスティバルに出演、現在はパリ国立高等音楽院の修士課程に在学中の丸山凪乃さん。12才から現在に至る、パリでの生活を綴っていただきます。
最終回は、「音楽芸術の交流が私の使命―フランス国籍取得を決意」。
◆6つのポイントで究める『ブルクミュラー25の練習曲』曲のしくみと演奏法(佐々木邦雄)
指導力に定評のある佐々木邦雄先生が、『ブルクミュラー25の練習曲』を全曲解説。曲のしくみと、ピアノの演奏法の両面から重要なポイントを語ります。今回は《心配》《アヴェ・マリア》です。
◆ポピュラー音楽指導塾~リズム力をつけよう!~(佐土原知子)
34年ほど前からポピュラー曲を積極的にレッスンに取り入れてきた著者が、明日のレッスンに使える様々な手法や情報をご紹介する連載。ポピュラーを4つのリズム区分に分け、ジャンル別に「演奏と指導のポイント」をお伝えしていきます。
今回は「ジャズ系⑦ジャズワルツ」。オンラインレッスンなどでも活用できるよう、リズム音源のQRコード付きでお届けします!
◆保護者と良好な関係を築くための 伝え方講座(古内奈津子)
保護者との間でよくある問題を例に、良好な関係性を保ちながらスムーズに教室を運営していくための「指導者としての考え方」や「保護者への具体的な伝え方」をお伝えしていきます。今回は、「コンクール結果にこだわる保護者に困っている」です。
◆マサさんの 目からウロコのコードのお話(松田 昌)
コード理論を初めて習う方だけでなく、基本的なことは知っているという方にも「目からウロコ」が落ちること間違いなしの、松田昌先生の連載。コードのしくみや、アレンジへの取り入れ方などを教えていただきます。
今回のテーマは、「トニックとドミナント」です。
◆楽器店カリスママネージャーが伝える 気持ちがラクになる 教室運営の基本を押さえよう(星野真之)
数百名に及ぶピアノの先生のお悩みを解決し続けてきた楽器店のカリスマ・マネージャーが、読んだらすぐに実行できる教室運営のアドバイスをお届けします。今回のテーマは、「令和時代の楽器店との付き合い方とは?」。
◆メトードローズ・ピアノ教則本で読譜力と表現力をつけるレッスン(齊藤浩子)
美しい曲で、易しいテクニックから徐々に深く学べる『メトードローズ・ピアノ教則本』。導入期のレッスンにメトードローズを取り入れている齊藤浩子先生に、活用法を教えていただきます。今回のテーマは、「表現力を高めるための指導①」。
◆音遊びから始めよう~ピアノレッスンにつながる表現の種~(鈴木和子)
子どもたちの表現意欲を育てるレッスンをしている鈴木和子先生に、導入期から始められるレッスンのアイディアを教えていただきます。今回のテーマは、「ピタピタピター」です。
[教材]
◆誰でもできる 作曲入門(壺井一歩)
作曲をするのは難しい、と思いこんでいませんか?そんなあなたや子どもたちにオススメする、やさしい作曲講座です。実際に作曲をしてみると、「曲がどのように作られているか」が分かります。アナリーゼのヒントもたくさん見つかることでしょう。
今回は「様々な要素を考えよう(1)~ダイナミクスをつけてみよう」。
◆ハノンクリニック(奈良井 巳城)
今回は、トレモロ奏法について、トレモロ科教授のアンタニモ・トレモーロ先生に伺います。
◆入会2年で音大入試問題が解けるようになる! あやか先生の楽典ドリル(永瀬礼佳)
曲を解釈するためには、「楽典」の知識がまず必要不可欠です。でも、楽典というと「音大入試のために勉強するもの」「子どもには難しい」と思い込んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか? この連載では、かわいらしいイラストと易しい解説付きで、幼児向けのドリルを掲載していきます。第21回は「近親かんけいちょうとは……?」。
◆スギテツ presents ザッツ・エンタメ・ピアノの発表会(杉浦哲郎)
「クラシックで笑顔を創る」をモットーに活動する、ピアノとヴァイオリンのデュオ・スギテツ。ピアノ&編曲を担当する杉浦哲郎さんに、来場者みんなが笑顔になれる、ピアノ発表会の演出方法やアンサンブル楽譜をご提案いただきます。今回のテーマは、「ベートーヴェン生誕250周年記念『色々なリズムで“第九”』前編」です。
[巻末とじ込み]
◆楽譜
樹原涼子・轟 千尋・春畑セロリ
お話と音楽のきらめくバトン
樹原涼子・轟千尋・春畑セロリという今を時めく3人の作曲家による特別企画。タイトル通り、3人がリレーでお話と曲を書いていくもので、どのような展開になってどのような曲が生まれていくのかは、バトンを渡されるまで分からないというハラハラ・ドキドキする企画。毎月誕生する新曲を、どうぞお楽しみください。
第4回は、「草原の夜明け」(樹原涼子)。
◆付録
「手づくりコンサートチケット」(福島優子)
子どもたちがピアニストの気分になって、小規模のコンサートを開催できるチケットです。ファミリーコンサートや、オンラインでのコンサートにもお勧めです。
11月号で取り上げた曲一覧
※「今月の課題曲」以外の作品(括弧内は取り上げた記事のタイトル)
樹原涼子:草原の夜明け(お話と音楽のきらめくバトン)
樹原涼子:『プレ・ピアノランド③』より《かなしいね》(樹原涼子の誌上マスタークラス)
樹原涼子:『プレ・ピアノランド③』より《ポプラなみき》(樹原涼子の誌上マスタークラス)
J.S.バッハ:インヴェンション第1番(バッハ《インヴェンション》が楽しくなるレッスン)
ブルクミュラー:アヴェ・マリア(『ブルクミュラー25の練習曲』曲のしくみと演奏法)
ブルクミュラー:狩(誰でもできる 作曲入門)
ブルクミュラー:心配(『ブルクミュラー25の練習曲』曲のしくみと演奏法)
フンメル:スケルツォ(ピアノテーマパーク)
ベートーヴェン:交響曲第9番(ザッツ・エンタメ・ピアノの発表会)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第18番第1楽章(仲道郁代の私的ベートーヴェン演奏論)
モーツァルト:アイネ・クライネ・ナハトムジーク(マサさんの 目からウロコのコードのお話)
今どきの 発表会開催マニュアル
◆オンライン発表会を検討されている方へ~企画のヒントとアプリの最新事情(智内威雄)
オンライン発表会の実施を検討されている方へ、その方向性を決める際に役立つ分類法と、最近音楽用にアップデートされたZoomの高音質モード設定法を解説します。
◆オンライン発表会の心得と生徒・保護者が観たくなる演出のアイディア(加山佳美)
オンライン発表会を成功に導くためには、まずは本来の発表会と同様、開催の「目的」を持つことと、その目的に合った形式で開催することが大切です。その目的の考え方や、オンライン発表会の種類、失敗例から学ぶ注意点、演出のアイディア等を、オンライン発表会のセミナーを開催している加山佳美先生に教えていただきました。
◆初心者でも簡単! スマホでできる オンライン発表会のための動画編集マニュアル(加山佳美)
オンライン発表会の一つに、演奏動画を編集したものを配信する形があります。そこで、初心者でも簡単にできる、スマホアプリ「VLLO」を使った動画編集の方法を、画像付きで分かりやすくご紹介します。
◆こんな発表会も! 心ときめく野外発表会〜その舞台裏をご紹介します(大道友萌子)
今年の夏に野外で発表会を開催した大道友萌子先生に、その準備方法や野外ならではの対策、演出の仕方などを教えていただきました。
◆リアル発表会 開催マニュアル(中西美江)
ホールで発表会を開催する場合、どのようなことに気をつけたらよいでしょうか。これまでの発表会との違いと対策、保護者への伝え方、今だからこそできる演出の例を、中西美江先生にご紹介いただきました。
◆コンサートホールと協力して行う ピアノ発表会の感染予防対策
ホールでの感染予防対策の参考になるのが、クラシック音楽公演運営推進協議会が策定する「クラシック音楽公演における新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」(9月18日改定版)です。その中から、ピアノ発表会に関連する項目を抜粋。日本クラシック音楽事業協会・会長の入山功一さんにもコメントをいただきました。
◆リアル発表会のライブ配信マニュアル(足立由起子)
YouTubeライブや、Instagramを使った配信方法を、各地でセミナーを開催している足立由起子先生にご執筆いただきました。
[今月の課題曲]
(2020年11月号~2021年2月号選曲者:齊藤浩子)
ハイドン《ソナタ Hob.XVI/G1》第1楽章
[トピックス]
◆Reportロン=ティボー=クレスパン 国際音楽コンクール・ガラ・コンサート(上田弘子)
昨年11月にパリで開催されたロン=ティボー=クレスパン国際音楽コンクール・ピアノ部門で、三浦謙司さんと務川慧悟さんが1位・2位を占める嬉しいニュースがありました。その凱旋公演とも言えるガラ・コンサートが、コロナ禍による延期を経て9月に開催。次世代を担う二つの個性が煌めいたこの公演の模様を詳しくレポートします。
◆「聴く力」を育てるウィレムス・メソッド(若林一惠)
よい演奏家、よい聴き手になるためには、よい耳を育てることが大切です。よい耳をもつ音楽愛好家が増えれば未来の音楽文化が豊かなものになるはずで、ここでピアノ指導者が大きな役割を果たします。どうすれば意識的に耳を使い、よい耳を育てることができるのでしょうか?一つの方法として、20世紀の音楽教育家エドガー・ウィレムスのメソッドをご紹介します。日本ではまだほとんど知られていないその教育思想やメソッドの概要を、ウィレムスの研究で博士号を取得した若林一惠さんに、10月号・11月号の2回にわたって解説していただきます。今回のテーマは「ウィレムス・メソッドの実践」。
◆リレー・スピリッツ、ここにあり~楽譜『リレー連弾 ワールドセレクション』のご紹介~(春畑セロリ)
リレー連弾の楽曲のみを集めた『ワールドセレクション』。その名の通り、世界の歌や踊りの曲が満載です。作曲者の春畑セロリさんに、楽譜の内容を解説していただきました。
[連載]
◆【最終回】ピアノレッスンのトリセツ!(佐野由美子)
初めてピアノを習う生徒や保護者に向けて、レッスンの“取扱説明書”をベテラン指導者の佐野由美子先生に作成していただきます。今回のテーマは「もうすぐ発表会」です。
◆【新連載】コンクール課題曲にチャレンジ!(小倉貴久子)
人気のコンクールの課題曲の中から毎号1曲を取り上げ、その演奏・指導法を詳しく解説していきます。見ながら演奏できる、カラーの書き込み楽譜付き。今月は、「第53回 カワイ音楽コンクール Cコース(小学6年生以下)【予選会】」より、ハイドン《ソナタ ト長調 Hob.XVI/G1》第1楽章。
◆角野隼斗の 令和の音楽ライフ(角野隼斗)
これまでの「ピアニスト」のイメージに留まらない角野隼斗さんが、様々な音楽活動をする中で、日々考えていることや感じたことなどを綴っていただきます。
今回は「広く浅くか、狭く深くか」。
◆【隔月連載】私的ベートーヴェン演奏論(仲道郁代)
ピアニストの仲道郁代さんが、ベートーヴェンの楽譜から何をどのように捉え、推理し、音にしていくのか、実際の作品をもとに独自の演奏論を紹介する連載。
今回は、あたかもクエスチョンを繰り返しているような始まりの第18番を取り上げ、ベートーヴェンの人生劇場として謎解きをしていきます。
◆なんでピアノを弾くと疲れるの?左手のピアニストが見る 正しい奏法(智内威雄)
左手のピアニストの智内威雄さんが、奏法の問題解決の研究者、プライベートや音大でレッスン・奏法を教える指導者、また演奏家としての視点から、「演奏」について実践的なアドバイスを綴ります。
今回のテーマは「脱力演奏第3段階までの復習と第4段階について」。
◆生徒を変身させる 24のキーワード(根津栄子)
「こどものスケール・アルペジオ」の著者としても知られる根津栄子先生に、テクニック・表現・ステージマナーの3分野にわたり、生徒を無理なく上達させるコツを分かりやすいキーワードの形でご紹介いただきます。今月のキーワードは、「9.よい音はよい姿勢から(88鍵?それとも44鍵?)」。
◆【連載】生徒と一緒に謎解きしよう バッハ《インヴェンション》が楽しくなるレッスン(福田ひかり)
バッハの《インヴェンション》を実際のレッスンでどのように指導したらよいのか、悩まれる先生は少なくないのではないでしょうか?生徒の目を輝かせるためには……そこでご提案、子どもが大好きな「謎解き」をレッスンに取り入れてみるのはいかがでしょうか?謎が詰まった《インヴェンション》は、うってつけとも言えます。曲のしくみや歌い方を生徒さんと一緒に探しながら、楽しく創造的なレッスンを目指してみませんか?
今月は、先月号で取り上げた第1番の続編をお届けします。
◆世界史から読み解く 音楽史(広瀬大介)
18世紀から20世紀に至る世界史の大事件と、それを描いた、あるいはそれに影響を受けた音楽作品にスポットを当てることで、音楽をより深く愉しめるようになる連載。同時代の日本の状況にも目を向け、毎回ミニミニ年表で整理していきます。今回は、「イタリア独立運動 ジュゼッペ・ヴェルディ〈1〉」。
◆ピアノをめぐる情景(青澤隆明)
音楽評論家として活躍する著者が、『ムジカノーヴァ』読者に向けて厳選したディスク、ピアニスト、コンサート等について綴ります。読後はピアノについてもっともっと知りたくなるエッセイです。
◆ピアノテーマパーク~バロックから近現代のやさしい名曲の背景をたどる~(江口文子)
「つながる音切れる音」「両手の対話」「リズムと踊り」「色と形と構成」の4つのテーマごとに、4期の名曲を集めた楽譜『4期のピアノテーマパーク』(江口文子先生監修)と連動した連載です。「自由な気持ちが音楽のはじまり」「心に浮かんだイメージを大切に育ててほしい」という、江口先生の思いが詰まったページです。創作漫画ユニット・留守keyさんによる、4期の特徴が分かるイラストも魅力。
第7回は、「フンメルのスケルツォ」です。
◆教えながら学ぶ アナリーゼ入門(西尾 洋)
楽譜が読め、旋律が歌え、鍵盤が理解できるのと同じくらいに、弾いている作品の「その作品らしさ」に迫る方法を生徒が身に付けられたら、音楽はきっと一生の心の友になるでしょう。「教えながら学ぶ」ことをコンセプトとして、やさしい曲や人気のある曲を中心に、自力で作品に近づく方法を懇切丁寧に紐解いていきます。
第4回は、「ベートーヴェン――ロマン派ソナタの原型を作った男」です。
◆根源的なテーマから学びを深める 樹原涼子の誌上マスタークラス(樹原涼子)
『ピアノランド』シリーズの著者がこれまでの研究で発見したこと、伝えたいと思うテーマを一つずつ丁寧に掘り下げる講座「樹原涼子のマスタークラス」と連動した連載。根源的なテーマから、今一度音楽との向き合い方を深く考えていきます。第4回は「ピアノで歌う力」です。
◆自己解決能力が高まる ばばっち先生のしつもんプログラム~ワーク付(馬場一峰)
しつもんに答えることで、レッスンの悩みを自己解決できるようになる、馬場一峰先生のプログラムです。今回のテーマは、「保護者が子どもたちに毎日、家での練習をさせてくれません……」です。
◆初級のピアノテクニック きほんのき(松本倫子)
これまでの導入期のテクニック指導から一歩進んで、初級の子どもたちに指のテクニックをどう教えるかを詳しくお伝えしていく連載。今月のテーマは、「正統的な練習曲で確実なテクニックを『チェルニー』と『ル・クーぺ』」。
◆ピアニストのパリ日記(丸山凪乃)
国際コンクールで受賞を重ね、ヨーロッパを拠点に多くのコンサートやフェスティバルに出演、現在はパリ国立高等音楽院の修士課程に在学中の丸山凪乃さん。12才から現在に至る、パリでの生活を綴っていただきます。
最終回は、「音楽芸術の交流が私の使命―フランス国籍取得を決意」。
◆6つのポイントで究める『ブルクミュラー25の練習曲』曲のしくみと演奏法(佐々木邦雄)
指導力に定評のある佐々木邦雄先生が、『ブルクミュラー25の練習曲』を全曲解説。曲のしくみと、ピアノの演奏法の両面から重要なポイントを語ります。今回は《心配》《アヴェ・マリア》です。
◆ポピュラー音楽指導塾~リズム力をつけよう!~(佐土原知子)
34年ほど前からポピュラー曲を積極的にレッスンに取り入れてきた著者が、明日のレッスンに使える様々な手法や情報をご紹介する連載。ポピュラーを4つのリズム区分に分け、ジャンル別に「演奏と指導のポイント」をお伝えしていきます。
今回は「ジャズ系⑦ジャズワルツ」。オンラインレッスンなどでも活用できるよう、リズム音源のQRコード付きでお届けします!
◆保護者と良好な関係を築くための 伝え方講座(古内奈津子)
保護者との間でよくある問題を例に、良好な関係性を保ちながらスムーズに教室を運営していくための「指導者としての考え方」や「保護者への具体的な伝え方」をお伝えしていきます。今回は、「コンクール結果にこだわる保護者に困っている」です。
◆マサさんの 目からウロコのコードのお話(松田 昌)
コード理論を初めて習う方だけでなく、基本的なことは知っているという方にも「目からウロコ」が落ちること間違いなしの、松田昌先生の連載。コードのしくみや、アレンジへの取り入れ方などを教えていただきます。
今回のテーマは、「トニックとドミナント」です。
◆楽器店カリスママネージャーが伝える 気持ちがラクになる 教室運営の基本を押さえよう(星野真之)
数百名に及ぶピアノの先生のお悩みを解決し続けてきた楽器店のカリスマ・マネージャーが、読んだらすぐに実行できる教室運営のアドバイスをお届けします。今回のテーマは、「令和時代の楽器店との付き合い方とは?」。
◆メトードローズ・ピアノ教則本で読譜力と表現力をつけるレッスン(齊藤浩子)
美しい曲で、易しいテクニックから徐々に深く学べる『メトードローズ・ピアノ教則本』。導入期のレッスンにメトードローズを取り入れている齊藤浩子先生に、活用法を教えていただきます。今回のテーマは、「表現力を高めるための指導①」。
◆音遊びから始めよう~ピアノレッスンにつながる表現の種~(鈴木和子)
子どもたちの表現意欲を育てるレッスンをしている鈴木和子先生に、導入期から始められるレッスンのアイディアを教えていただきます。今回のテーマは、「ピタピタピター」です。
[教材]
◆誰でもできる 作曲入門(壺井一歩)
作曲をするのは難しい、と思いこんでいませんか?そんなあなたや子どもたちにオススメする、やさしい作曲講座です。実際に作曲をしてみると、「曲がどのように作られているか」が分かります。アナリーゼのヒントもたくさん見つかることでしょう。
今回は「様々な要素を考えよう(1)~ダイナミクスをつけてみよう」。
◆ハノンクリニック(奈良井 巳城)
今回は、トレモロ奏法について、トレモロ科教授のアンタニモ・トレモーロ先生に伺います。
◆入会2年で音大入試問題が解けるようになる! あやか先生の楽典ドリル(永瀬礼佳)
曲を解釈するためには、「楽典」の知識がまず必要不可欠です。でも、楽典というと「音大入試のために勉強するもの」「子どもには難しい」と思い込んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか? この連載では、かわいらしいイラストと易しい解説付きで、幼児向けのドリルを掲載していきます。第21回は「近親かんけいちょうとは……?」。
◆スギテツ presents ザッツ・エンタメ・ピアノの発表会(杉浦哲郎)
「クラシックで笑顔を創る」をモットーに活動する、ピアノとヴァイオリンのデュオ・スギテツ。ピアノ&編曲を担当する杉浦哲郎さんに、来場者みんなが笑顔になれる、ピアノ発表会の演出方法やアンサンブル楽譜をご提案いただきます。今回のテーマは、「ベートーヴェン生誕250周年記念『色々なリズムで“第九”』前編」です。
[巻末とじ込み]
◆楽譜
樹原涼子・轟 千尋・春畑セロリ
お話と音楽のきらめくバトン
樹原涼子・轟千尋・春畑セロリという今を時めく3人の作曲家による特別企画。タイトル通り、3人がリレーでお話と曲を書いていくもので、どのような展開になってどのような曲が生まれていくのかは、バトンを渡されるまで分からないというハラハラ・ドキドキする企画。毎月誕生する新曲を、どうぞお楽しみください。
第4回は、「草原の夜明け」(樹原涼子)。
◆付録
「手づくりコンサートチケット」(福島優子)
子どもたちがピアニストの気分になって、小規模のコンサートを開催できるチケットです。ファミリーコンサートや、オンラインでのコンサートにもお勧めです。
11月号で取り上げた曲一覧
※「今月の課題曲」以外の作品(括弧内は取り上げた記事のタイトル)
樹原涼子:草原の夜明け(お話と音楽のきらめくバトン)
樹原涼子:『プレ・ピアノランド③』より《かなしいね》(樹原涼子の誌上マスタークラス)
樹原涼子:『プレ・ピアノランド③』より《ポプラなみき》(樹原涼子の誌上マスタークラス)
J.S.バッハ:インヴェンション第1番(バッハ《インヴェンション》が楽しくなるレッスン)
ブルクミュラー:アヴェ・マリア(『ブルクミュラー25の練習曲』曲のしくみと演奏法)
ブルクミュラー:狩(誰でもできる 作曲入門)
ブルクミュラー:心配(『ブルクミュラー25の練習曲』曲のしくみと演奏法)
フンメル:スケルツォ(ピアノテーマパーク)
ベートーヴェン:交響曲第9番(ザッツ・エンタメ・ピアノの発表会)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第18番第1楽章(仲道郁代の私的ベートーヴェン演奏論)
モーツァルト:アイネ・クライネ・ナハトムジーク(マサさんの 目からウロコのコードのお話)