• レコード誕生物語

ムック レコード芸術 編

ONTOMO MOOK

レコード誕生物語

その時、名盤が生まれた

  • かくして名演は音盤に刻まれた!

レコード芸術

定価
2,530円 (本体2,300円+税)
判型・頁数
B5・240頁
発行年月
2021年11月
ISBNコード
9784276963337
商品コード
963330

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  • 音楽之友社ムック課

内容紹介

『レコード芸術』誌において、2018年1月号からてスタートした同名タイトルの連載のムック化。2021年8月号で第44回を迎えている。内容は、いわゆる「クラシック音楽の歴史的録音」として語り継がれているレコード(ディスク)の中から1枚を選び、それが録音された当時、いかなる社会的背景や音楽シーンの中で誕生したのかを、様々な文献資料や関係者の証言を集め、ある種の「音楽ドキュメンタリー」として再構成したもの。筆者は『レコード芸術』で執筆中の音楽評論家、音楽ライターを中心に、海外有名レーベルの往年の名プロデューサー(翻訳による)、現役のピアニストなどの演奏家までが名を連ねる。録音現場での演奏家たちの葛藤や苦悩のリアルな姿の活写とともに、1枚の歴史的レコードが「誕生する瞬間」を目の当たりにするような読書体験が「聴きたい気持ち」を喚起する。

目次


第1話
1977年になるまで存在しなかったメンゲルベルクのベートーヴェンの交響曲全集(芳岡正樹)
第2話
ストラヴィンスキー、自作自演の≪春の祭典≫たち(相場ひろ)
第3話
波乱万丈の人生を送ったブルーノ・ワルターとデジ・ハルバンによるマーラーの交響曲第4番(芳岡正樹)
第4話
強靭な精神力とヴァイタリティで収録されたシベリウスのヴァイオリン協奏曲(芳岡正樹)
第5話
「ほとんど神に近い」と評された初演者トスカニーニの≪ボエーム≫(山崎浩太郎)
第6話
時代の偶然によって生まれた奇跡の名盤 ブレイン『モーツァルト/協奏曲全集』(佐伯茂樹)
第7話
シェーンベルク:歌劇≪モーゼとアロン≫ロスバウト指揮による世界初演ライヴ(鈴木淳史)
第8話
1955年、ニューヨーク グールドの≪ゴルトベルク変奏≫(宮澤淳一)
第9話
冷戦時代 クライバーンとコンドラシン チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番(増田良介)
第10話
各誌絶賛、シゲティ3度目のスタジオ録音 ブラームス:ヴァイオリン協奏曲(芳岡正樹)
第11話
冷戦下の時代に打ち建てた不滅の記念碑 ブリテン≪戦争レクイエム≫自作自演(等松春夫)
第12話
フリッツ・ライナー最後のセッション録音 ハイドン:交響曲第95番&第101番≪時計≫(満津岡信育)
第13話
たび重なる危機を乗り越え生み出された黄金コンビによるマーラー≪大地の歌≫(等松春夫)
第14話
世界一有名なオペラにならしめたカラスによる≪カルメン≫(岸 純信)
第15話
デュ・プレ&ベイカー/バルビローリによる エルガー:チェロ協奏曲&海の絵(藤野竣介)
第16話
「英国近代音楽の生き証人」が遺した5種の≪惑星≫が意味するもの(等松春夫)
第17話
ショスタコーヴィチとオイストラフ ヴァイオリン協奏曲第2番を巡って(増田良介)
第18話
西と東の横綱バトル ベートーヴェン≪三重奏曲≫(満津岡信育)
第19話
音楽シーンを塗り替えたライヒの代表作≪18人の音楽家のための音楽≫初録音(前島秀国)
第20話
世界に冠たる古楽王国ニッポンの原点 オトテール・アンサンブル/18世紀フランスの室内楽(峰尾昌男)
第21話
遺品からカセット・テープで発見された「ザ・グルダ・モーツァルト・テープス」(千勝泰生)
第22話
狂気のカルロス・クライバー 緊迫と決裂の≪トリスタンとイゾルデ≫(千勝泰生)
第23話
あくなき理想の結晶化 ジュリーニ/歌劇≪ファルスタッフ≫(ギュンター・ブレースト 訳:千勝泰生)
第24話
〝アルヒーフのニュー・スター〟のたくらみから生まれた〝チェンバロを楽しめるアルバム〟(峰尾昌男)
第25話
真逆の二人、クレーメル&アルゲリッチ ベートーヴェン/ヴァイオリン・ソナタ全集(ハンノ・リンケ 訳:千勝泰生)
第26話
バーンスタイン 自作自演の≪ウエスト・サイド・ストーリー≫(山崎浩太郎)
第27話
みずみずしい80年代の息吹 アバド/ヨーロッパ室内管のシューベルト全集(クリストファー・オールダー 訳:千勝泰生)
第28話
カラヤンとショルティの≪仮面舞踏会≫帝王の権威と行動力が刻んだ名作の「あるべき姿」(岸 純信)
第29話
小澤征爾/サイトウ・キネン・オーケストラ ベルリン・イエス・キリスト教会での初録音(新忠篤)
第30話
シュ・シャオメイ 二つの≪ゴルトベルク変奏曲≫(船越清佳)
第31話
シューマン:ヴァイオリン協奏曲ニ短調 アーノンクール&クレーメルの ”救出劇”(舩木篤也)
第32話
作曲者立ち合いのセッションから誕生した『伊福部昭の芸術』(山野雄大)
第33話
須川展也『サイバーバード』――世界的名作は、ここから飛翔した(山野雄大)
第34話
フルート音楽400年の歴史をピリオド楽器で弾く有田正広/パンの笛(西村 祐)
第35話
朝比奈隆指揮大阪フィル 最後のブルックナー≪交響曲第8番≫(小味渕彦之)
第36話
空前のブームを巻き起こした 小澤征爾/ニューイヤー・コンサート2002(篠原 良)
第37話
J.S.バッハ:ブランデンブルク協奏曲 クイケン再録音盤にみるオリジナル探求の旅(佐伯茂樹)
第38話
ロト&レ・シエクル≪春の祭典≫ 初演スコア再構成&楽器収集のドラマ(船越清佳)
第39話
2017年5月、東京芸術劇場、ロジェストヴェンスキー×シャルク版の一夜(広瀬大介)

あとがき 増田良介
執筆者プロフィール

※本ムックは『レコード芸術』誌上で2018年1月にスタートした連載『レコード誕生物語』の第1回~第38回、第40回分を、
 一部補筆、修正を加えた上で、テーマ・ディスクの録音年の古いものから順に並べ直したものです。