雑誌 ムジカノーヴァ
ピアノを教える人、学ぶ人の雑誌
ムジカノーヴァ 2020年3月号
- 発表会・コンクールに向けて 本番力を磨こう
- 今月の1曲:ショパン《マズルカ》Op.68-3
内容紹介
[特集]
発表会・コンクールに向けて
本番力を磨こう
◆本番力を磨こう~準備がすべて!医学からみるとどんな準備がよいのでしょう?(上杉春雄)
脳神経内科医をしながらピアノの演奏活動を続けてきた上杉春雄さんに、本番で力を発揮するために心がけた方がよいと思われることを、1.練習を始めるにあたり 2.本番近くなって 3.当日 4.楽屋から舞台裏 5.舞台の上では、と、時間ごとに区切って教えていただきました。
◆メンタルトレーニングの専門家がレクチャーする 本番までの道のりを楽しむヒント(大場ゆかり)
音楽家向けのメンタルトレーニングやストレスマネジメントの研究を行っている大場ゆかり先生に、本番までの道のりを楽しむヒントをご執筆いただきました。
◆コンクールや発表会本番に向けて そのお悩み、解決します!(重野美樹)
コンクールや発表会本番までは、生徒も保護者も指導者も、様々な悩みを抱えます。ベテランの指導者である重野美樹先生に、それぞれの立場に向けて、悩みを解決するアドバイスをいただきました。
◆コンクール本番に向けて 指導者ができるサポートは?(加藤智子)
コンクール指導に定評のある加藤智子先生に、選曲や指導のポイントを教えていただきました。
[今月の1曲]
ショパン《マズルカ》Op.68-3
[今月の1曲 連動企画]
◆誌上講座① アナリーゼ(加藤一郎)
2つの踊りのリズムとエキゾチックな旋法の響きで、民族音楽を独自に再創造
マズルカには多くの種類の踊りが含まれますが、ショパンはそれらをマズル、クヤヴィアク、オベレクの3つに分類して民族音楽を独自に再創造しました。この曲に含まれるマズルカのリズムの特徴や、リディア旋法のエキゾチックな響き、独特のアクセントなどを、ポーランド国立ショパン研究所でも講演を行った筆者が、詳細に解説します。
◆誌上講座② 演奏・指導法(江崎昌子)
「マズルカ」のリズムを知り、その特徴を効果的に表現しましょう
ポーランド国歌もマズルカのリズムで作曲されており、ポロネーズと並んでポーランドの心を表す舞踊と言われます。リズムの表現が鍵となることから、この曲で使われる2種類のリズムの弾き方やアクセントの効かせ方を、ポーランドで研鑽を積んだ筆者が解説します。
◆今月の1曲 豆知識
今月の1曲にまつわる豆知識を、譜例を用いながら解説します。
◆練習課題 エチュード(片山早苗)
「今月の1曲」を演奏する際に必要となるテクニックを身に付けるためのエチュード集。
演奏する際の腕のイメージや、和音の中からメロディーを抽出する練習、和声の各声部をなめらかにつなぐ練習、透明な響きをつくるための練習を掲載しました。
[トピックス]
◆Interview 務川慧悟~ロン・ティボー・クレスパン国際音楽コンクール2位入賞!(上田弘子)
昨年11月にパリで開催されたロン・ティボー・クレスパン国際音楽コンクールでは、日本人が1位と2位を独占する史上初の快挙となりました。見事第2位に入賞されたピアニストの務川慧悟さんに、コンクールの回想や留学中のパリでの研鑽の様子、また4月7日に東京文化会館で開催されるガラ・コンサートで演奏するサン=サーンス《ピアノ協奏曲第5番》について等、お話を伺いました。
◆Interview~亀井聖矢in Paris(船越清佳)
昨年のピティナ・ピアノコンペティション特級グランプリ、日本音楽コンクール第1位と破竹の勢いのピアニスト、亀井聖矢さん。レッスンを受けるためにパリを訪れた亀井さんに、師事する先生方から学んだことや、今回のパリ滞在で得たものについて伺いました。
◆クラヴィコード演奏から見えてくる 古典派指導のヒント~後編 ハイドン(福田ひかり)
本誌先月号(2020年2月号)では、多感様式の代表的作曲家カール・フィリップ・エマヌエル・バッハの曲をクラヴィコードで演奏することで体感できる演奏表現について、「マーチ ニ長調 BWV.Anh.122」と「ポロネーズ ト長調 BWV Anh.125」を例に解説しました。
今月号では、同じくクラヴィコードを重要な楽器と考えていたハイドンの、よく知られたハ長調のソナタHob.XVI/35を取り上げます。クラヴィコード演奏で体感できる、この曲の新たな姿と演奏表現について、書き込み楽譜で解説していきます。
◆Interview 新井鷗子(堀江昭朗)
子どものための伝記シリーズ「音楽家ものがたり」の著者である、人気の音楽構成作家・新井鷗子さんに、本書の制作背景や、東京藝術大学での障がい者支援の研究について伺いました。
[連載]
◆【隔月連載】私的ベートーヴェン演奏論(仲道郁代)
ピアニストの仲道郁代さんが、ベートーヴェンの楽譜から何をどのように捉え、推理し、音にしていくのか、実際の作品をもとに独自の演奏論を紹介する連載。今回は、《ワルトシュタイン》を取り上げます。
◆【最終回】バッハ《シンフォニア》の美的探究(赤松林太郎)
バッハ《シンフォニア》を毎月1曲ずつ、第1番から順番に取り上げて、書き込み楽譜の形で演奏・指導法をご紹介してきた本連載。最終回は、終末感が滲む劇的な終曲「第15番」に迫ります。
なお、本連載の全15回と、2017年9月号~2018年11月号の連載「バッハ《インヴェンション》のすべて」(村上隆著)に、野平一郎氏のバッハの装飾音に関するインタヴューも収録したムック『徹底解説 バッハ「インヴェンション&シンフォニア」弾き方教え方』が、4月20日に発売予定です。どうぞお楽しみに!
◆6つのポイントで究める『ブルクミュラー25の練習曲』曲のしくみと演奏法(佐々木邦雄)
指導力に定評のある佐々木邦雄先生が、『ブルクミュラー25の練習曲』を全曲解説。曲のしくみと、ピアノの演奏法の両面から重要なポイントを語ります。今回は《アラベスク》《牧歌》です。
◆ピアノ講師の旬の「お悩み」を解決! 教室 改善プロジェクト(山本美芽/横田明子)
全国のピアノ講師が集うフェイスブックグループ、山本美芽ライティング研究会では、日々お悩みの情報交換が行われています。その中から特に話題になった旬の「お悩み」をピックアップし、問題解決をこころみます。今回のお悩みは、「生徒募集を考える その1」。
◆【最終回】ピアノレッスンに心理学を活かそう!(馬場一峰)
少し考え方を変えるだけで、レッスンがずっと楽に、楽しくなります。ピアノレッスンに活かせる心理学を、毎月一つずつ馬場一峰先生に紹介していただいてきました。最終回のテーマは、「楽しんでいますか?」。
◆倫子先生の 初級のピアノテクニック きほんのき(松本倫子)
これまでの導入期のテクニック指導から一歩進んで、初級の子どもたちに指のテクニックをどう教えるかを詳しくお伝えしていく連載。今月のテーマは、「『良い指』で『良い音』を出すための練習法」。
◆世界史から読み解く 音楽史(広瀬大介)
18世紀から20世紀に至る世界史の大事件と、それを描いた、あるいはそれに影響を受けた音楽作品にスポットを当てることで、音楽をより深く愉しめるようになる連載。同時代の日本の状況にも目を向け、毎回ミニミニ年表で整理していきます。今回は、「ジョルジュ・サンドとショパンの愛」。
◆なんでピアノを弾くと疲れるの?左手のピアニストが見る 正しい奏法(智内威雄)
左手のピアニストの智内威雄さんが、奏法の問題解決の研究者、プライベートや音大でレッスン・奏法を教える指導者、また演奏家としての視点から、「演奏」について実践的なアドバイスを綴ります。
今回のテーマは「脱力奏法の基礎~1つ目のテクニック」。
◆ピアニストのパリ日記(丸山凪乃)
国際コンクールで受賞を重ね、ヨーロッパを拠点に多くのコンサートやフェスティバルに出演、現在はパリ国立高等音楽院の修士課程に在学中の丸山凪乃さん。12才から現在に至る、パリでの生活を綴っていただきます。
今回は、「現代音楽の作品発表に携わる刺激的な体験」。
◆演奏会批評
2019/11/22~12/1(雨宮さくら、石川哲郎、柴田龍一、時 幹雄、原 明美)
◆ピアノをめぐる情景(青澤隆明)
音楽評論家として活躍する著者が、『ムジカノーヴァ』読者に向けて厳選したディスク、ピアニスト、コンサート等について綴ります。読後はピアノについてもっともっと知りたくなるエッセイです。
◆【最終回】『愛は風にのって』~作曲者による楽曲ガイド(田中カレン)
田中カレン氏書き下ろし曲集『愛は風にのって』全21曲を、作曲者自身が解説してきた連載。自作のアナリーゼと演奏のアドバイスに、恩師三善晃先生の教えも交えた特別企画です。最終回は《21.愛は風にのって》。
◆生徒と見たい聴きたいCD&DVD(百瀬 喬)
最近リリースされた音楽ソフトからピアノ教室におススメの1枚をご紹介します。
◆ムジカ図書館(山本美芽)
ピアノ教本研究家が、指導者・学習者双方に役立つ本をご紹介します。
◆楽器店カリスママネージャーが伝える 気持ちがラクになる 教室運営の基本を押さえよう(星野真之)
数百名に及ぶピアノの先生のお悩みを解決し続けてきた楽器店のカリスマ・マネージャーが、読んだらすぐに実行できる教室運営のアドバイスをお届けします。今回のテーマは、「教室の『特色』を、HPでアピールしよう」。
◆スギテツ presents ザッツ・エンタメ・ピアノの発表会(杉浦哲郎)
「クラシックで笑顔を創る」をモットーに活動する、ピアノとヴァイオリンのデュオ・スギテツ。ピアノ&編曲を担当する杉浦哲郎さんに、来場者みんなが笑顔になれる、ピアノ発表会の演出方法やアンサンブル楽譜をご提案いただきます。今回のテーマは、「オトナたちへの挑戦状!~抜き打ちテスト~前編」です。
◆音遊びから始めよう~ピアノレッスンにつながる表現の種~(鈴木和子)
子どもたちの表現意欲を育てるレッスンをしている鈴木和子先生に、導入期から始められるレッスンのアイディアを教えていただきます。今回のテーマは、「♯、♭、♮」です。
◆ピアノレッスンにすぐに役立つ! マサさんのアレンジ入門(松田 昌)
生徒のレベルに合わせたアレンジができるようになると、レッスンの幅がさらに広がります。弾きやすくて、あたたかいアレンジに定評のある松田昌先生に、クラシックや童謡の楽曲を分析しながら、誰でも良いアレンジができる方法をご紹介いただきます。今回のテーマは「素晴らしい非和声音・倚音を使ってみよう!~心にキュンとくるメロディーの秘密~」です。
[教材]
◆【最終回】レ・フレール斎藤守也の リズムで伴奏してみよう!(斎藤守也)
新刊楽譜『レ・フレール 斎藤守也の 童謡アレンジで楽しく学ぶ 左手のための伴奏形エチュード』の巻末に掲載されている伴奏パターン①~⑭を使って、童謡などのメロディーに伴奏付けする方法を、斎藤守也さんが懇切丁寧に指南します。
最終回は、第6音が入る伴奏パターンの付け方とその応用法を学びます。斎藤守也さんの最終回のメッセージも、どうぞお読み逃しなく!
◆リトミックでマスター リズムのきほん(大城依子)
ダルクローズが創案したリトミックの考え方をベースに、リズムを基礎からマスターできる課題です。アイディアが豊富な大城依子先生の教材は、レッスンで役立つこと間違いなし! 今回のテーマは「カノン(1)」です。
◆入会2年で音大入試問題が解けるようになる! あやか先生の楽典ドリル(永瀬礼佳)
曲を解釈するためには、「楽典」の知識がまず必要不可欠です。でも、楽典というと「音大入試のために勉強するもの」「子どもには難しい」と思い込んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか? この連載では、かわいらしいイラストと易しい解説付きで、幼児向けのドリルを掲載していきます。第13回は「長ちょうの音かいをつくろう!」。
◆ハノンクリニック(奈良井 巳城)
今回は、重音(No.50)の様々な練習法について、重音科教授の難井重音先生に伺います。
[巻末とじ込み]
◆楽譜
憧れの曲を思いのままに!轟千尋の「あなたの夢、叶えます!」~ピアノが美しく響くオーダーアレンジ集~
坂本浩美《旅立ちの日に》
卒業シーズンに欠かせないこの曲。原曲の雰囲気を最大限に生かし、ピアノらしさと合唱さしさを融合させた、心に染み入る編曲です。
◆付録 連載連動 あやか先生のレッスングッズ・シリーズ③
「和音のおだんご 早よみカード ト音記号」(永瀬礼佳)
連載「入会2年で音大入試問題が解けるようになる! あやか先生の楽典ドリル」と連動したレッスングッズ・シリーズ。永瀬礼佳先生ならではの指導法から生まれた付録です。第3弾は、ト音記号の「ドミソ・ソシレ・ファラド」の3つの和音が読めるようになるフラッシュカードです。
3月号で取り上げた曲一覧
※「今月の1曲」以外の作品(括弧内は取り上げた記事のタイトル)
アメリカ民謡:森のくまさん(マサさんのアレンジ入門)
斎藤守也:1本指のブルース 完成形(リズムで伴奏してみよう!)
ショパン:ワルツ 第8番(マサさんのアレンジ入門)
ショパン:ワルツ 第9番(マサさんのアレンジ入門)
スペイン民謡/斎藤守也編曲:幸せなら手をたたこう(リズムで伴奏してみよう!)
田中カレン:愛は風にのって(『愛は風にのって』~作曲者による楽曲ガイド)
チャイコフスキー:白鳥の湖(ザッツ・エンタメ・ピアノの発表会)
ハイドン:ソナタHob.XVI/35(クラヴィコード演奏から見えてくる 古典派指導のヒント)
バッハ:インヴェンション 第8番(マサさんのアレンジ入門)
バッハ/ヴィルヘルミ:G線上のアリア(ザッツ・エンタメ・ピアノの発表会)
J.S.バッハ:シンフォニア第15番(バッハ《シンフォニア》の美的探究)
フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調(リズムのきほん)
ブルクミュラー:アラベスク(『ブルクミュラー25の練習曲』曲のしくみと演奏法)
ブルクミュラー:牧歌(『ブルクミュラー25の練習曲』曲のしくみと演奏法)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第22番《ワルトシュタイン》(仲道郁代の 私的ベートーヴェン演奏論)
モーツァルト:アイネ・クライネ・ナハトムジーク(ザッツ・エンタメ・ピアノの発表会)
発表会・コンクールに向けて
本番力を磨こう
◆本番力を磨こう~準備がすべて!医学からみるとどんな準備がよいのでしょう?(上杉春雄)
脳神経内科医をしながらピアノの演奏活動を続けてきた上杉春雄さんに、本番で力を発揮するために心がけた方がよいと思われることを、1.練習を始めるにあたり 2.本番近くなって 3.当日 4.楽屋から舞台裏 5.舞台の上では、と、時間ごとに区切って教えていただきました。
◆メンタルトレーニングの専門家がレクチャーする 本番までの道のりを楽しむヒント(大場ゆかり)
音楽家向けのメンタルトレーニングやストレスマネジメントの研究を行っている大場ゆかり先生に、本番までの道のりを楽しむヒントをご執筆いただきました。
◆コンクールや発表会本番に向けて そのお悩み、解決します!(重野美樹)
コンクールや発表会本番までは、生徒も保護者も指導者も、様々な悩みを抱えます。ベテランの指導者である重野美樹先生に、それぞれの立場に向けて、悩みを解決するアドバイスをいただきました。
◆コンクール本番に向けて 指導者ができるサポートは?(加藤智子)
コンクール指導に定評のある加藤智子先生に、選曲や指導のポイントを教えていただきました。
[今月の1曲]
ショパン《マズルカ》Op.68-3
[今月の1曲 連動企画]
◆誌上講座① アナリーゼ(加藤一郎)
2つの踊りのリズムとエキゾチックな旋法の響きで、民族音楽を独自に再創造
マズルカには多くの種類の踊りが含まれますが、ショパンはそれらをマズル、クヤヴィアク、オベレクの3つに分類して民族音楽を独自に再創造しました。この曲に含まれるマズルカのリズムの特徴や、リディア旋法のエキゾチックな響き、独特のアクセントなどを、ポーランド国立ショパン研究所でも講演を行った筆者が、詳細に解説します。
◆誌上講座② 演奏・指導法(江崎昌子)
「マズルカ」のリズムを知り、その特徴を効果的に表現しましょう
ポーランド国歌もマズルカのリズムで作曲されており、ポロネーズと並んでポーランドの心を表す舞踊と言われます。リズムの表現が鍵となることから、この曲で使われる2種類のリズムの弾き方やアクセントの効かせ方を、ポーランドで研鑽を積んだ筆者が解説します。
◆今月の1曲 豆知識
今月の1曲にまつわる豆知識を、譜例を用いながら解説します。
◆練習課題 エチュード(片山早苗)
「今月の1曲」を演奏する際に必要となるテクニックを身に付けるためのエチュード集。
演奏する際の腕のイメージや、和音の中からメロディーを抽出する練習、和声の各声部をなめらかにつなぐ練習、透明な響きをつくるための練習を掲載しました。
[トピックス]
◆Interview 務川慧悟~ロン・ティボー・クレスパン国際音楽コンクール2位入賞!(上田弘子)
昨年11月にパリで開催されたロン・ティボー・クレスパン国際音楽コンクールでは、日本人が1位と2位を独占する史上初の快挙となりました。見事第2位に入賞されたピアニストの務川慧悟さんに、コンクールの回想や留学中のパリでの研鑽の様子、また4月7日に東京文化会館で開催されるガラ・コンサートで演奏するサン=サーンス《ピアノ協奏曲第5番》について等、お話を伺いました。
◆Interview~亀井聖矢in Paris(船越清佳)
昨年のピティナ・ピアノコンペティション特級グランプリ、日本音楽コンクール第1位と破竹の勢いのピアニスト、亀井聖矢さん。レッスンを受けるためにパリを訪れた亀井さんに、師事する先生方から学んだことや、今回のパリ滞在で得たものについて伺いました。
◆クラヴィコード演奏から見えてくる 古典派指導のヒント~後編 ハイドン(福田ひかり)
本誌先月号(2020年2月号)では、多感様式の代表的作曲家カール・フィリップ・エマヌエル・バッハの曲をクラヴィコードで演奏することで体感できる演奏表現について、「マーチ ニ長調 BWV.Anh.122」と「ポロネーズ ト長調 BWV Anh.125」を例に解説しました。
今月号では、同じくクラヴィコードを重要な楽器と考えていたハイドンの、よく知られたハ長調のソナタHob.XVI/35を取り上げます。クラヴィコード演奏で体感できる、この曲の新たな姿と演奏表現について、書き込み楽譜で解説していきます。
◆Interview 新井鷗子(堀江昭朗)
子どものための伝記シリーズ「音楽家ものがたり」の著者である、人気の音楽構成作家・新井鷗子さんに、本書の制作背景や、東京藝術大学での障がい者支援の研究について伺いました。
[連載]
◆【隔月連載】私的ベートーヴェン演奏論(仲道郁代)
ピアニストの仲道郁代さんが、ベートーヴェンの楽譜から何をどのように捉え、推理し、音にしていくのか、実際の作品をもとに独自の演奏論を紹介する連載。今回は、《ワルトシュタイン》を取り上げます。
◆【最終回】バッハ《シンフォニア》の美的探究(赤松林太郎)
バッハ《シンフォニア》を毎月1曲ずつ、第1番から順番に取り上げて、書き込み楽譜の形で演奏・指導法をご紹介してきた本連載。最終回は、終末感が滲む劇的な終曲「第15番」に迫ります。
なお、本連載の全15回と、2017年9月号~2018年11月号の連載「バッハ《インヴェンション》のすべて」(村上隆著)に、野平一郎氏のバッハの装飾音に関するインタヴューも収録したムック『徹底解説 バッハ「インヴェンション&シンフォニア」弾き方教え方』が、4月20日に発売予定です。どうぞお楽しみに!
◆6つのポイントで究める『ブルクミュラー25の練習曲』曲のしくみと演奏法(佐々木邦雄)
指導力に定評のある佐々木邦雄先生が、『ブルクミュラー25の練習曲』を全曲解説。曲のしくみと、ピアノの演奏法の両面から重要なポイントを語ります。今回は《アラベスク》《牧歌》です。
◆ピアノ講師の旬の「お悩み」を解決! 教室 改善プロジェクト(山本美芽/横田明子)
全国のピアノ講師が集うフェイスブックグループ、山本美芽ライティング研究会では、日々お悩みの情報交換が行われています。その中から特に話題になった旬の「お悩み」をピックアップし、問題解決をこころみます。今回のお悩みは、「生徒募集を考える その1」。
◆【最終回】ピアノレッスンに心理学を活かそう!(馬場一峰)
少し考え方を変えるだけで、レッスンがずっと楽に、楽しくなります。ピアノレッスンに活かせる心理学を、毎月一つずつ馬場一峰先生に紹介していただいてきました。最終回のテーマは、「楽しんでいますか?」。
◆倫子先生の 初級のピアノテクニック きほんのき(松本倫子)
これまでの導入期のテクニック指導から一歩進んで、初級の子どもたちに指のテクニックをどう教えるかを詳しくお伝えしていく連載。今月のテーマは、「『良い指』で『良い音』を出すための練習法」。
◆世界史から読み解く 音楽史(広瀬大介)
18世紀から20世紀に至る世界史の大事件と、それを描いた、あるいはそれに影響を受けた音楽作品にスポットを当てることで、音楽をより深く愉しめるようになる連載。同時代の日本の状況にも目を向け、毎回ミニミニ年表で整理していきます。今回は、「ジョルジュ・サンドとショパンの愛」。
◆なんでピアノを弾くと疲れるの?左手のピアニストが見る 正しい奏法(智内威雄)
左手のピアニストの智内威雄さんが、奏法の問題解決の研究者、プライベートや音大でレッスン・奏法を教える指導者、また演奏家としての視点から、「演奏」について実践的なアドバイスを綴ります。
今回のテーマは「脱力奏法の基礎~1つ目のテクニック」。
◆ピアニストのパリ日記(丸山凪乃)
国際コンクールで受賞を重ね、ヨーロッパを拠点に多くのコンサートやフェスティバルに出演、現在はパリ国立高等音楽院の修士課程に在学中の丸山凪乃さん。12才から現在に至る、パリでの生活を綴っていただきます。
今回は、「現代音楽の作品発表に携わる刺激的な体験」。
◆演奏会批評
2019/11/22~12/1(雨宮さくら、石川哲郎、柴田龍一、時 幹雄、原 明美)
◆ピアノをめぐる情景(青澤隆明)
音楽評論家として活躍する著者が、『ムジカノーヴァ』読者に向けて厳選したディスク、ピアニスト、コンサート等について綴ります。読後はピアノについてもっともっと知りたくなるエッセイです。
◆【最終回】『愛は風にのって』~作曲者による楽曲ガイド(田中カレン)
田中カレン氏書き下ろし曲集『愛は風にのって』全21曲を、作曲者自身が解説してきた連載。自作のアナリーゼと演奏のアドバイスに、恩師三善晃先生の教えも交えた特別企画です。最終回は《21.愛は風にのって》。
◆生徒と見たい聴きたいCD&DVD(百瀬 喬)
最近リリースされた音楽ソフトからピアノ教室におススメの1枚をご紹介します。
◆ムジカ図書館(山本美芽)
ピアノ教本研究家が、指導者・学習者双方に役立つ本をご紹介します。
◆楽器店カリスママネージャーが伝える 気持ちがラクになる 教室運営の基本を押さえよう(星野真之)
数百名に及ぶピアノの先生のお悩みを解決し続けてきた楽器店のカリスマ・マネージャーが、読んだらすぐに実行できる教室運営のアドバイスをお届けします。今回のテーマは、「教室の『特色』を、HPでアピールしよう」。
◆スギテツ presents ザッツ・エンタメ・ピアノの発表会(杉浦哲郎)
「クラシックで笑顔を創る」をモットーに活動する、ピアノとヴァイオリンのデュオ・スギテツ。ピアノ&編曲を担当する杉浦哲郎さんに、来場者みんなが笑顔になれる、ピアノ発表会の演出方法やアンサンブル楽譜をご提案いただきます。今回のテーマは、「オトナたちへの挑戦状!~抜き打ちテスト~前編」です。
◆音遊びから始めよう~ピアノレッスンにつながる表現の種~(鈴木和子)
子どもたちの表現意欲を育てるレッスンをしている鈴木和子先生に、導入期から始められるレッスンのアイディアを教えていただきます。今回のテーマは、「♯、♭、♮」です。
◆ピアノレッスンにすぐに役立つ! マサさんのアレンジ入門(松田 昌)
生徒のレベルに合わせたアレンジができるようになると、レッスンの幅がさらに広がります。弾きやすくて、あたたかいアレンジに定評のある松田昌先生に、クラシックや童謡の楽曲を分析しながら、誰でも良いアレンジができる方法をご紹介いただきます。今回のテーマは「素晴らしい非和声音・倚音を使ってみよう!~心にキュンとくるメロディーの秘密~」です。
[教材]
◆【最終回】レ・フレール斎藤守也の リズムで伴奏してみよう!(斎藤守也)
新刊楽譜『レ・フレール 斎藤守也の 童謡アレンジで楽しく学ぶ 左手のための伴奏形エチュード』の巻末に掲載されている伴奏パターン①~⑭を使って、童謡などのメロディーに伴奏付けする方法を、斎藤守也さんが懇切丁寧に指南します。
最終回は、第6音が入る伴奏パターンの付け方とその応用法を学びます。斎藤守也さんの最終回のメッセージも、どうぞお読み逃しなく!
◆リトミックでマスター リズムのきほん(大城依子)
ダルクローズが創案したリトミックの考え方をベースに、リズムを基礎からマスターできる課題です。アイディアが豊富な大城依子先生の教材は、レッスンで役立つこと間違いなし! 今回のテーマは「カノン(1)」です。
◆入会2年で音大入試問題が解けるようになる! あやか先生の楽典ドリル(永瀬礼佳)
曲を解釈するためには、「楽典」の知識がまず必要不可欠です。でも、楽典というと「音大入試のために勉強するもの」「子どもには難しい」と思い込んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか? この連載では、かわいらしいイラストと易しい解説付きで、幼児向けのドリルを掲載していきます。第13回は「長ちょうの音かいをつくろう!」。
◆ハノンクリニック(奈良井 巳城)
今回は、重音(No.50)の様々な練習法について、重音科教授の難井重音先生に伺います。
[巻末とじ込み]
◆楽譜
憧れの曲を思いのままに!轟千尋の「あなたの夢、叶えます!」~ピアノが美しく響くオーダーアレンジ集~
坂本浩美《旅立ちの日に》
卒業シーズンに欠かせないこの曲。原曲の雰囲気を最大限に生かし、ピアノらしさと合唱さしさを融合させた、心に染み入る編曲です。
◆付録 連載連動 あやか先生のレッスングッズ・シリーズ③
「和音のおだんご 早よみカード ト音記号」(永瀬礼佳)
連載「入会2年で音大入試問題が解けるようになる! あやか先生の楽典ドリル」と連動したレッスングッズ・シリーズ。永瀬礼佳先生ならではの指導法から生まれた付録です。第3弾は、ト音記号の「ドミソ・ソシレ・ファラド」の3つの和音が読めるようになるフラッシュカードです。
3月号で取り上げた曲一覧
※「今月の1曲」以外の作品(括弧内は取り上げた記事のタイトル)
アメリカ民謡:森のくまさん(マサさんのアレンジ入門)
斎藤守也:1本指のブルース 完成形(リズムで伴奏してみよう!)
ショパン:ワルツ 第8番(マサさんのアレンジ入門)
ショパン:ワルツ 第9番(マサさんのアレンジ入門)
スペイン民謡/斎藤守也編曲:幸せなら手をたたこう(リズムで伴奏してみよう!)
田中カレン:愛は風にのって(『愛は風にのって』~作曲者による楽曲ガイド)
チャイコフスキー:白鳥の湖(ザッツ・エンタメ・ピアノの発表会)
ハイドン:ソナタHob.XVI/35(クラヴィコード演奏から見えてくる 古典派指導のヒント)
バッハ:インヴェンション 第8番(マサさんのアレンジ入門)
バッハ/ヴィルヘルミ:G線上のアリア(ザッツ・エンタメ・ピアノの発表会)
J.S.バッハ:シンフォニア第15番(バッハ《シンフォニア》の美的探究)
フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調(リズムのきほん)
ブルクミュラー:アラベスク(『ブルクミュラー25の練習曲』曲のしくみと演奏法)
ブルクミュラー:牧歌(『ブルクミュラー25の練習曲』曲のしくみと演奏法)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第22番《ワルトシュタイン》(仲道郁代の 私的ベートーヴェン演奏論)
モーツァルト:アイネ・クライネ・ナハトムジーク(ザッツ・エンタメ・ピアノの発表会)