●〔標準版ピアノ楽譜〕ソナタアルバム1 New Edition 解説付
ソナタアルバムに収録された魅力的なレパートリーは、楽曲構造について理解を深める格好の教材である。ハイドンやモーツァルト、ベートーヴェンの作曲の意図を覗くことは、より音楽的な演奏に結びつく道しるべとなる。しかし、ソナタを前にして、どこからどのようにアナリーゼしたらいいのか分からない、という人も多いはず。本書解説では、各曲についてまず分析の着眼点を提示した。その上で記述された詳細な分析は、演奏者にとって大きな手助けとなるだろう。また、楽譜下部にも各曲の構造を掲載した。 そして、そもそもピアノ・ソナタというジャンルがどのように生まれ、どのように発展してきたのか、といったピアノ・ソナタの歴史的側面の記述も充実し、ピアノ・ソナタを多角的に捉えることができるようになっている。楽譜に関しては、原典版など諸資料をもとに、全面にわたってこれまでの版を見直した。
6つの「わかる」で形式感や学習法が身につく!
古典派の重要レパートリーがよくわかる
ソナタアルバム1の収録曲はハイドン、モーツァルト、ベートー ヴェンのピアノソナタ各5曲。レッスンや試験でもよく選ば れる15曲は知れば知るほど奥深い古典派の代表作ばかり。
音楽の仕組みがよくわかる
より良い演奏への第一歩。作曲家の意図がよく見える全曲 の徹底分析を掲載。アナリーゼの着眼点も教えてくれるか ら、他の曲でも応用できる本当の「分析力」が身につきます。
曲全体と現在位置がよくわかる
地図感覚で曲をナビゲート!新考案の「形式図」「調構成の 見取り図」を楽譜ページに掲載し、古典派の理解に欠かせ ない形式感や調の関係性を弾きながら体感的に学べます。
生きたソナタがわかる
ソナタ形式は定型? 不定型? 曲ごとに新しく生み出さ れる「ソナタ」の多様性を解き明かす解説で、音楽形式を動 的に理解できます。
弾き方がよくわかる
弾きやすさへのヒント。曲にも手にも馴染む、普遍的な運指を 採用。読みやすさ抜群の楽譜との相乗効果でストレスフリー!
最新情報がわかる
2014年に発見された《トルコ行進曲付き》ソナタKV 331 の自筆譜情報を付録掲載。

ラインナップ
クーラウやクレメンティ、モーツァルトやハイドンなど主に古典派の名曲を収録。曲構造をひと目で把握できる図を付す。
バイエル ピアノ教則本「やさしい楽典」付(伊藤康英 編)
新しく生まれ変わった普及版。巻頭の「楽譜の読み方」で、わかりやすく楽典を手ほどき。巻末に童謡やマーチなど併用曲も収録。
ハノン・ピアノ教本(小鍛冶邦隆、中井正子 解説)
ピアノ・テクニックを養成する定番教本のNew Edition。作曲家・演奏家のダブル解説で、単なる指の訓練ではない音楽的な学習も提案。
各曲の技術課題を明らかにする作曲家・末吉氏による解説と、神経内科医・ピアニストの上杉氏の脳と体の構造から解く合理的な練習法解説。
チェルニー リトル・ピアニスト(秋末直志 編)
教材をレッスンでどう位置づけ、どう教えるのか、詳細な解説を付す『「チェルニー リトル・ピアニスト」の指導法』も発売中。
ショパン バラード集(大嶋かず路 解説)
作曲に際しショパンが刺激を受けたミツキェーヴィチの詩の抄訳を掲載。当時の文学的・音楽的潮流に対するショパンのバラードの意味を解説。
バッハ インヴェンションとシンフォニア(野平一郎 解説・運指)
「解説」では曲の構成や手法を明らかにし、作品への理解が自然に演奏に表れる道筋を説く。「21 世紀のバッハ演奏」のための必携楽譜。
ブルクミュラー 25練習曲(春畑セロリ 解説/江崎光世 協力)
「バイエル」など導入期メソードが終わった後に最適の曲集。曲の仕組み、演奏のヒント、指導のアイディアなども紹介。
ブルクミュラー 18の練習曲(春畑セロリ 解説)
「25 の練習曲」の次のステップとして、本格的なロマン派作品の様式を学び、音楽的な表現を深めるのに最適。
ブルクミュラー 12の練習曲(春畑セロリ、黒田亜樹、飯田有抄 解説)
「25 の練習曲」「18 の練習曲」に続く「華麗でメロディックな練習曲集」。フランス初版譜に付されているタイトルを採用、曲順も同版に準拠。
ブラームス 交響曲第1番[連弾](天崎浩二、角野裕 編集)
初版を刊行したジムロック社版を底本に、自筆譜やオーケストラ・スコアなども参考に編集。作品成立過程や運指の記載が演奏に有益。
メンデルスゾーン 無言歌集(新実徳英、星野宏美 解説)
《無言歌集》第1~第8 集の全48 曲を収録。作曲家・新実氏による分析と、研究者・星野氏による複眼的な解説も演奏の一助に。
モーツァルト ピアノ・ソナタ集(全6巻)(今井顕 編集・運指)
第1巻
KV279,280,281
第2巻
KV282,283,284
第3巻
KV309,310,311
第4巻
KV330,331,332,333
第5巻 幻想曲とソナタ
KV475/457
第6巻
KV533/494,545,570,576
モーツァルトのソナタを6 分冊にし、いずれも編者推奨のアーティキュレーションを、オリジナルの記譜と見分けられるようグレーで付す。