リッカルド・ムーティ

ヴェルディ生誕200年
マエストロ・ムーティが「自身」を語る本と、こよなく愛する「ヴェルディ」を語る本、ファンなら、この2冊は、はずせません!

今や、押しも押されもせぬ、世界的な大指揮者、リッカルド・ムーティ。
 音楽ファンにその名が知られる大きなきっかけは、1974年に彼自身オペラ全曲初録音となる、ヴェルディの「アイーダ」によってではないでしょうか。当時を代表するきら星のような大歌手たちが参加、ドリーム・キャストによる破格の録音に起用されたのが他ならぬ若きムーティ。その演奏ぶりは、まさに“若獅子”の名にふさわしいもの。このことで、ムーティに対するファンの期待と注目度は一気に高まりました。「ムーティというのは、若いけれど、とてつもない実力派らしい」と(今年は、ちょうどその40年後にあたります)。
 そして、ついにその翌年、わが国の音楽ファンの前に勇姿を現したのです。1975年、巨匠カール・ベームに帯同しての初来日、ウィーン・フィルを指揮したコンサートでした。ベームといっしょではいささか分が悪かったのは確かですが、推進力と熱気あふれる演奏に、当時の聴衆は、期待以上の(と言っては失礼ですが)感銘を受けました。
 その後、世界中をかけめぐっての活躍と夥しい録音で、キャリアと名声を確かなものにしていく様子は、音楽ファンの皆さんなら先刻ご承知のとおり。
 その彼が自身と音楽について語る「リッカルド・ムーティ自伝」と、彼が得意とし、深い愛情を注ぐヴェルディ作品への思いを綴った「リッカルド・ムーティ、イタリアの心 ヴェルディを語る」の2冊が絶賛発売中。
 ムーティ・ファンはもちろんのこと、特にオペラ・ファン、ヴェルディ・ファンなら、この2冊は要チェックです。


 

名指揮者が語るヴェルディの真実、オペラの醍醐味

 

 

●リッカルド・ムーティ、イタリアの心 ヴェルディを語る

リッカルド・ムーティ 著/田口道子 訳


 

目次

序 人生を共にする音楽家

1. 書いてある通りに正確に
2. ヴェルディに魔法をかけられた
3. 音楽と言葉の完璧なる一致
4. 誰が未来を読むことができるのか?
5. ヴェルディ、イタリアの男
6. ヴェルディとワーグナー
7. 情熱と情熱を失うこと

エピローグ 『お役に立てるよう努めました』
マエストロ・リッカルド・ムーティが指揮したヴェルディ作品

内容

昨年2013年はヴェルディ生誕200年の年。そこでマエストロ・ムーティは、もっとも愛すべき作曲家ヴェルディの記念の年に『自伝』と、ついで本書、彼ならではのヴェルディの解説書を出しました。著者のムーティは終身名誉指揮者を務めるローマ歌劇場と来日し、5月20日から《ナブッコ》と《シモン・ボッカネグラ》を公演しますが、その来日に合せた出版です。昨年10月に来日して日本の演奏家と《レクイエム》を演奏、また〈ヴェルディを語る〉講演会(渋谷・オーチャードホール)も大盛況でした。
 ヴェルディはまさにイタリアの男、イタリア人にとっても人生をともにする音楽家だ、という熱い思いが文章に込められているのは勿論、世界のオーケストラ、歌劇場で指揮した名演奏家ならではの経験から、ひとつひとつの作品が生き生きと描かれています。歌手による曲芸的技巧を期待する観客には、ムーティがあまりにも厳格な音楽家に見えるかもしれませんが、なぜ「作曲家の書いた通りに」演奏しなければいけないか、ヴェルディの悲劇はどこにあるか、作品のポイントはどこか・・・普通のヴェルディ解説本とは全く違う読み物となっています。付録に簡単なヴェルディの全オペラ作品解説(レクイエムも含む)が付いているので、短時間で予習復習するのにも便利です。


 

現代のカリスマ指揮者が、飾らない言葉で語りつくす“音楽人生”

 

●リッカルド・ムーティ自伝 はじめに音楽 それから言葉

はじめに音楽 それから言葉

リッカルド・ムーティ 著/田口道子 訳


 

目次

1. おもちゃの代わりにヴァイオリン
2. 指揮をしようと思ったことは?
3. いい加減にしろ!
4. 演奏家?
5. 運命のオーケストラ
6. 新世界のための音楽
7. ミラノ・スカラ座
8. ナポリ魂
9. 出会い
10. 将来の展望
11. 音楽に境界はない

内容

これまで知られていなかった幼少時代、演奏スタイルの秘密、舞台の裏側、きらめく芸術家たちとの出会いと音楽人生が、ムーティ自身の飾らない言葉で語られます。
 マエストロはこのような特別な感情も吐露しています。「もしもある日、あの世でワーグナーやベートーヴェンに『リッカルド! 君は間違っていた』と言われたとしても耐えられるだろう。でも私がこれだけ献身的な愛情を捧げてきたヴェルディにそう言われたとしたら、どれだけ恐ろしいことだろう」
 約20年にわたり音楽監督として君臨したミラノ・スカラ座での日々を振り返った7章では、ヴェルディの楽譜の1音まで誠実に汲み取ろうとアプローチした軌跡が綴られており、すべての音楽ファンに感銘を与えるでしょう。
 マエストロ秘蔵の、ヴァオリンを弾く小学生のムーティ、珍しい家族写真、練習風景、そして歴史にのこる音楽家たちとのツーショットなど、貴重な写真も掲載。


 

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