2025.04.18
榎本憲男 近未来エンタメ小説
本誌の過去連載「俺にロックを鳴らさせろ」でもおなじみ、小説家にしてオーディオ愛好家・榎本憲男氏による、SF×パンク×世界史の構造をテーマにした近未来エンタテインメント『アガラ』が、2025年2月7日(金)に発売された。
覇権争いに終止符を打ったアメリカと中国は、完全なる自由と平等と平和を保障する《大同世界》を実現させた。統一された世界を維持する分散型自律機関=通称《DAI》なる権力装置のもと、国境も宗教もない理想の社会に人々は安住する一方で、見えない分断が隠蔽されているという陰謀論がささやかれ、原因不明の自殺者も後を絶たなかった。
パンクバンドの元ギタリスト・ケイは、ある出来事をきっかけに音楽活動から足を洗い、現在は秩序維持軍に属している。2050年の世界に戦争は存在しない。だが軍は同時多発する小さなコミュニティの儀式に対し、それが宗教行為にあたるか見極める調査活動を続けていた。
信仰の兆しを見せる《故障》した地域が世界各地で発生するなか、対象ゾーンへの《警告・修理・漂白》を遂行する任務にあたっていたケイは、上長グエンから日本州西部でパンクロック・フェスティバルを開催する《アガラ》なる土地に潜入捜査せよとの指令を受けるのだった。
理想社会が奪った人間同士をつなぐ《ある力》とは? 最新の世界情勢とパンクへの愛に裏打ちされた近未来エンタテインメントをぜひ!
<書籍名>『アガラ』
<著者>榎本憲男
<価格>2,970円
<仕様>四六判/512ページ
<発行>㈱朝日新聞出版
<発売日>2025年2月7日(金)
<ホームページ> https://publications.asahi.com/product/25213.html