• ムジカノーヴァ 2019年6月号

雑誌 ムジカノーヴァ

ピアノを教える人、学ぶ人の雑誌

ムジカノーヴァ 2019年6月号

  • 表現の引き出しを増やそう! 様々な楽器の音色にチャレンジ
  • 今月の1曲:モーツァルト《ソナタ》ハ長調 K545 第1楽章
定価
922円 (本体838円+税)
判型・頁数
A4変
発行年月
2019年5月
JANコード
4910085190694
商品コード
181906

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内容紹介

[特集]
表現の引き出しを増やそう!
様々な楽器の音色にチャレンジ

◆もっと豊かになるピアノの表現力~他楽器の音色をイメージしよう~(末永 匡)
 ピアノを表現豊かに演奏するには、多様な楽器の音色をイメージできることも大切。そのポイントを、ピアニストであり、全国各地で演奏・指導法の講座を開催している末永匡さんに解説していただきました。

◆スコアとピアノ譜を見比べてみよう!~プッチーニ《誰も寝てはならぬ》を用いて(轟 千尋)
 ピアノ曲の中にはオーケストラ曲の編曲版もあり、スコアから音色のヒントをたくさん得ることができます。でも、様々な楽器のパートがびっしり書かれているスコア。ふだん目にする機会が少ないため抵抗感を抱きがちですが、一体どのように読んだらいいのでしょう? 作曲家の轟千尋先生に、誰でもできる「スコア・リーディング」の手順を教えていただきました。

◆一人でアンサンブルを~ピアニストは多重人格になろう!(内藤 晃)
 ピアニストは楽曲の中で、時には伴奏者と歌手、時には弦楽四重奏やオーケストラなど、一人何役も同時に演じるようなもの。それらが、ひとかたまりにならず生き生きと語りかけ、立体的なアンサンブルになるためにはどうすればよいでしょうか?
ピアニスト・指揮者・作編曲家、そして指導者としても幅広く活躍される内藤晃さんに、ベートーヴェンのソナタなどを例に、非常に具体的に教えていただきました。

◆フォオルマシオン・ミュジカルで楽器の音色をイメージする力を身に付けよう
~授業での使用プリントに沿って(津覇江利菜)
 実際の楽曲を題材にして、音楽を幅広い視点から学ぶフォルマシオン・ミュジカル。「オーケストラの音色をイメージしながらピアノを弾く」ことをテーマに、ビゼーの《ギャロップ》(オーケストラ版)を題材にした鑑賞授業の例を、著者によるオリジナルの課題プリントに沿って教えていただきました。グループ・レッスンにお役立ちの内容です!

[今月の1曲]
モーツァルト《ソナタ》ハ長調 K545 第1楽章

[今月の1曲 連動企画]
◆誌上講座① アナリーゼ(今村央子)
高い芸術性と練習曲の実用性を兼ね備えた珠玉の小ソナタ
 モーツァルト自身が「初心者のための小さなクラヴィーア・ソナタ」と記した今月の1曲。聴いていて心地良い音楽の中には、様々な練習要素も組み込まれています。「ソナタ形式」「二つの主題」「スケールとアルペッジョ」の視点から、楽曲を細かく観察していきます。

◆誌上講座② 演奏・指導法(小倉貴久子)
当時のピアノと演奏習慣を知り あなただけのモーツァルトを目指しましょう
 フォルテピアノ奏者として著名な小倉貴久子氏に、この曲が生まれた背景や、当時のピアノの特徴・演奏習慣を踏まえた弾き方について、分かりやすく解説していただきました。あまりにも有名なこの曲ですが、時代背景を知ることで、さらに自由に、あなただけのモーツァルトを奏でてみませんか?

◆今月の1曲 豆知識
 今月の1曲にまつわる豆知識を、譜例を用いながら解説します。

◆練習課題① ソルフェージュ(町田育弥)
 「今月の1曲」の演奏をより豊かなものにするためのソルフェージュ。今回は、曲に活き活きとした表情を与える「和音のリズム」を体感し、アンサンブルの要素を感じ取るための課題を掲載しました。

◆練習課題② エチュード(村上 隆)
 「今月の1曲」を演奏する際に必要となるテクニックを身に付けるためのエチュード集。テーマを美しく伸びやかな音色で弾くための関節のトレーニング方法や、スケール、アルペッジョ、トリルをスムーズに弾くための練習メニューを掲載しました。

[トピックス]
◆Report ムジカノーヴァ Presentsティーチング・プロジェクト神楽坂
 「レ・フレール斎藤守也の 疲れずに弾き続ける 左手の脱力奏法」(山本美芽)
本誌で「左手のための 伴奏形エチュード」を連載中のピアニスト斎藤守也さんが、4月17日に音楽の友ホールで、指導者を対象にした初の演奏法セミナーを行いました。大変な好評を得たこのセミナーの模様をお届けします。

◆Report 日本ピアノ教育連盟 第35回全国研究大会から
ヤン・イラチェック・フォン・アルニン(ウィーン国立音楽大学教授)による講演と公開レッスン
 2001年にウィーン国立音大のピアノ科教授に任命され、同大学史上最年少の終身教授となったアルニン氏による講演「ウィーン古典派解釈における考察~ドイツ、およびオーストリアの伝統を考慮して」と、氏によるJPTAピアノ・オーディション全国大会課題曲の公開レッスンの模様(JⅡ、A、B、C部門)を詳しくお伝えします。

◆フォルテピアノ工房探訪記(中嶋恵美子)
 7月13~15日に開催される、第2回「フォルテピアノ・アカデミーSACLA」。今年も小倉貴久子氏によるフォルテピアノのレッスン、コンサート、楽器体験など、充実したプログラムが揃いました。アカデミーに4台の楽器を提供する太田垣至さんのフォルテピアノ工房訪問の様子を、中嶋恵美子先生がご寄稿くださいました。

[連載]
◆作曲家の食卓(遠藤雅司)
 世界各国の歴史料理を再現するプロジェクト「音食紀行」を主宰する遠藤雅司さんに、作曲家たちが当時、食べていた料理をご紹介いただきます。第9回は、シューベルトが食べたデザートです。
◆バッハ《シンフォニア》の美的探究(赤松林太郎)
 バッハ《シンフォニア》を毎月1曲ずつ、第1番から順番に取り上げて、書き込み楽譜の形で演奏・指導法をご紹介します。今月は、柔らかな旋律線が特徴で、天使の舞を表しているかのような「第6番」に迫ります。
◆世界史から読み解く 音楽史(広瀬大介)
 18世紀から20世紀に至る世界史の大事件と、それを描いた、あるいはそれに影響を受けた音楽作品にスポットを当てることで、音楽をより深く愉しめるようになる連載。同時代の日本の状況にも目を向け、毎回ミニミニ年表で整理していきます。今回は、音楽史に影響を与えた啓蒙専制君主の二人目として、オーストリア・ハプスブルク帝国のヨーゼフ2世を取り上げます。
◆ピアノ講師の旬の「お悩み」を解決!教室 改善プロジェクト(山本美芽/横田明子)
 全国のピアノ講師が集うフェイスブックグループ、山本美芽ライティング研究会では、日々お悩みの情報交換が行われています。その中から特に話題になった旬の「お悩み」をピックアップし、問題解決をこころみます。今回のお悩みは、「発表会での選曲と保護者のリクエスト」。
◆倫子先生の 導入期のピアノテクニック きほんのき(松本倫子)
 最近、子どもたちのピアノの基礎力が落ちているという話を耳にします。幼児のピアノ導入へのより正統的なテクニック指導を知り、一定の基礎力を付けていきましょう。今回は、「拍感の身に付け方」と「ピアノの椅子の座り方」について取り上げます。
◆『愛は風にのって』~作曲者による楽曲ガイド(田中カレン)
 田中カレン氏書き下ろし曲集『愛は風にのって』全21曲を、作曲者自身が解説する連載。自作のアナリーゼと演奏のアドバイスに、恩師三善晃先生の教えも交えた特別企画です。第12回の曲は《12. 琥珀色の秋の夕暮れ》。
◆スラスラ分かる 和声法学び直し塾(土田京子)
 苦手意識を持ちがちな和声法と、もっと仲良くなれる手順を楽しく、平易な言葉で教えていただきます。今回は、「フランス様式の和音記号に親しもう」。
◆ばばっち先生の連続講座 ピアノレッスンに心理学を活かそう!(馬場一峰)
 少し考え方を変えるだけで、レッスンがずっと楽に、楽しくなります。ピアノレッスンに活かせる心理学を、毎月一つずつ馬場一峰先生に紹介していただきます。
◆ピアノをめぐる情景(青澤隆明)
 音楽評論家として活躍する著者が、『ムジカノーヴァ』読者に向けて厳選したディスク、ピアニスト、コンサート等について綴ります。読後はピアノについてもっともっと知りたくなるエッセイです。
◆楽器店カリスママネージャーが伝える 気持ちがラクになる 教室運営の基本を押さえよう(星野真之)
 数百名に及ぶピアノの先生のお悩みを解決し続けてきた楽器店のカリスマ・マネージャーが、読んだらすぐに実行できる教室運営のアドバイスをお届けします。
◆演奏会批評
 2019/2/1~3/24(雨宮さくら、石川哲郎、柴田龍一、時 幹雄、原 明美、伴 玲児、道下京子)
◆プロ意識を持ったピアノ指導者になろう!~教室運営からレッスン実践まで(益子祥子)
 人気のピアノ指導者、ますこ先生がこれまで全国のピアノ指導者と一緒に考えてきた「ピアノ教室運営」と「レッスンの実践」について、たくさんの提案と具体例をお伝えしていきます。今回のテーマは、「イベントの可能性~校外学習、訪問コンサート、コンサートツアー他」。
◆音のパレット(江口文子)
 ある町のピアノ教室で月に1度開催されるグループセッション。老若男女問わず、様々な生徒がピアノや音楽について語ります。門下から国際的に活躍する数多くのピアニストを輩出する江口文子先生による、ピアノレッスンのヒントが散りばめられた物語です。
◆ピアノの先生のiPad活用術(足立由起子)
 レッスンに役立つiPadの活用法を、足立由起子先生に解説していただきます。第12回のテーマは、「ミュージックデータを作る(1)」です。
◆生徒と見たい聴きたいCD&DVD(百瀬 喬)
 最近リリースされた音楽ソフトからピアノ教室におススメの1枚をご紹介します。
◆ムジカ図書館(山本美芽)
 ピアノ教本研究家が、指導者・学習者双方に役立つ本をご紹介します。
◆ピアノレッスンにすぐに役立つ! マサさんのアレンジ入門(松田 昌)
 生徒のレベルに合わせたアレンジができるようになると、レッスンの幅がさらに広がります。弾きやすくて、あたたかいアレンジに定評のある松田昌先生に、クラシックや童謡の楽曲を分析しながら、誰でも良いアレンジができる方法をご紹介いただきます。第2回のテーマは「よく使われる5つのコード」。
◆音遊びから始めよう~ピアノレッスンにつながる表現の種~(鈴木和子)
 子どもたちの表現意欲を育てるレッスンをしている鈴木和子先生に、導入期から始められるレッスンのアイディアを教えていただきます。

[教材]
◆ハノンクリニック(奈良井 巳城)
 今回は、音階(No.39)の取り組み方について、引き続き恩貝先生と、新たにスケール科助教授の黒間ティック先生をお招きして解説していただきます。

◆入会2年で音大入試問題が解けるようになる! あやか先生の楽典ドリル(永瀬礼佳)
 曲を解釈するためには、「楽典」の知識がまず必要不可欠です。でも、楽典というと「音大入試のために勉強するもの」「子どもには難しい」と思い込んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか? この連載では、かわいらしいイラストと易しい解説付きで、幼児向けのドリルを掲載していきます。第4回は「ファラドのおだんご」。

◆レ・フレール 斎藤守也の 左手のための伴奏形エチュード(斎藤守也/解説:山本美芽)
 人気の兄弟デュオ「レ・フレール」の兄・斎藤守也さんがこれまでに生み出し練習してきた左手のオリジナル伴奏形を、『ムジカノーヴァ』のために特別公開! 童謡・民謡の伴奏形として楽しいエチュードにしてくださいました。第12回は《おんまはみんな》。斎藤守也さんに、伴奏パターンの弾き方のコツや、アレンジの特徴などについても伺いました。

◆リトミックでマスター リズムのきほん(大城依子)
 ダルクローズが創案したリトミックの考え方をベースに、リズムを基礎からマスターできる課題です。アイディアが豊富な大城依子先生の教材は、レッスンで役立つこと間違いなし! 第11回のテーマは「拍子の変換」です。

◆音の宝石箱 for Kids(安倍美穂)
 子どもたちが大好きなポピュラー作品を、やる気を引き出す工夫満載のアレンジでお届けします。今月の曲は、QUEENの《WE WILL ROCK YOU》。

[巻末とじ込み]
◆今月の楽譜
 【最終回】ピアノ名曲フォーユー 日本を奏でる~やさしい連弾~《かたつむり》(小原 孝)
2018年の童謡誕生100周年を機に、子どもたちに日本の名曲をきちんと伝えたいという思いから始まったアレンジ楽譜の連載。レベルは、親子でも楽しめる導入・初級程度。歌の内容も分かるよう、縦書きの歌詞付きでお届けします。

◆付録
「発表会カウントダウン88」ポスター(森田 香)
 発表会までのスケジュールを書き込むためのポスター。日数はピアノの鍵盤と同じ「88」、約3ヵ月前からカウントダウンしていきます。生徒のレッスンの進度、先生のスケジュールなど、用途に応じてお使いいただけます。

6月号で取り上げた曲一覧
※「今月の1曲」以外の作品(括弧内は取り上げた記事のタイトル)
アメリカ民謡:おんまはみんな(左手のための 伴奏形エチュード)
シュトラウス1世:ラデツキー行進曲(音遊びから始めよう)
田中カレン:琥珀色の秋の夕暮れ((『愛は風にのって』~作曲者による楽曲ガイド)
チェルニー:40番より「第3番」(音のパレット)
轟 千尋=プッチーニ:ピアノ連弾曲《誰も寝てはならぬ》(特集/スコアとピアノ譜を見比べてみよう!)
チャイコフスキー:朝の祈り(特集/一人でアンサンブルを)
ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲(特集/もっと豊かになるピアノの表現力)
J.S.バッハ:シンフォニア第6番(バッハ《シンフォニア》の美的探究)
バラキレフ=リャプノフ:イスラメイ(特集/もっと豊かになるピアノの表現力)
バルトーク:ルーマニア民俗舞曲より「棒踊り」(ヤン・イラチェック・フォン・アルニンによる講演と公開レッスン)
ビゼー:《オーケストラのための小組曲「子どもの遊び」》Op.22より第5曲「ギャロップ」(特集/フォルマシオン・ミュジカルで楽器の音色をイメージする力を身に付けよう)
ビゼー:ピアノ連弾曲《子どもの遊び》より第5曲「舞踏会」(特集/フォルマシオン・ミュジカルで楽器の音色をイメージする力を身に付けよう)
プッチーニ:誰も寝てはならぬ(特集/スコアとピアノ譜を見比べてみよう!)
Brian May:WE WILL ROCK YOU(音の宝石箱)
ブラームス:3つの間奏曲op.117より「第1番」(リズムのきほん)
ブルクミュラー:狩り(音遊びから始めよう)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第2番(ヤン・イラチェック・フォン・アルニンによる講演と公開レッスン)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8番《悲愴》第2楽章(特集/一人でアンサンブルを)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第16番(ヤン・イラチェック・フォン・アルニンによる講演と公開レッスン)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第32番(ヤン・イラチェック・フォン・アルニンによる講演と公開レッスン)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第26番《告別》第1楽章(特集/一人でアンサンブルを)
ベートーヴェン=リスト:交響曲 第8番(特集/一人でアンサンブルを)
ベートーヴェン=リスト:交響曲 第9番(特集/もっと豊かになるピアノの表現力)
モーツァルト:ソナタ ハ長調K.545第1楽章(ヤン・イラチェック・フォン・アルニンによる講演と公開レッスン)
ヘンリー・クレイ・ワーク:大きな古時計(マサさんのアレンジ入門)
文部省唱歌:かたつむり(ピアノ名曲フォーユー 日本を奏でる~やさしい連弾~)
ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ(特集/一人でアンサンブルを)