「ムジカノーヴァ」2009年4月号～2010年3月号への連載記事に大幅な加筆をしたもの。音大生やピアノ上級者をはじめ、教え方に悩むレスナーや、生涯ピアノを学んでいきたい初・中級者にもおすすめの一冊。ピアノの特性を生かしたテクニックの身に付け方、練習や暗譜の方法、適切な指使いの見つけ方、スタッカートやレガート奏法、装飾音や連打の奏法、音色・響き・ポリフォニーへの意識、テンポの捉え方などを、実際にレッスンをしている時のような口調で楽しく《語る》。とかく趣味や好みの問題になりがちなテーマについても、客観性を保つよう心掛けている。また、日本人への教授経験が豊富な著者ならではの視点は、他の「外国人の先生による書物」とは一線を画す。また、譜例や写真を豊富に盛り込むことで、紙上レッスンのカラーを前面に押し出している。

プレリュード　
１.美女　　　　　純粋無垢なピアノ
２.野獣　　　　　魅力的な王子様に変身したいと願って……
３.練習　　　　　野獣の頭脳教育
４.コンタクト　　ピアニストのエンジン始動……
５.打鍵　　　　　ピアニストは戦闘隊であるべきか？
６.重さ　　　　　本物のビッグバン（＝宇宙爆発）の起源
７.指―前編　　　「始めに指ありき……」
８.親指　　　　　みんなのお父さん
９.指―後編　　　これから何をするべきなの？
10.音　　　　　　いいえ！　ピアニストは（みんなが）乱暴者ではないですよ……
11.レガート　　　ピアニスト……不可能を探し求めて
12.スタッカート　ボール遊びはいかがですか？
13.装飾音　　　　電気ピアニスト……
14.ポリフォニー　ピアニストによる"Face-Voicebook"ネットワークの創設
15.和音　　　　　どうやって音を仲良く積み重ねるか……
16.連打　　　　　キツツキとハムスター
17.重音　　　　　指が対になって歩く時
18.暗譜　　　　　この音、どこに置いて来ちゃったっけ？
19.テンポと緊張　野獣をスウィングさせよう
20.ピアノに向かって　野獣の日々の宿命
コーダ
訳者あとがき