先週の新譜ではありますが、女優「のん」が語り手として起用された『チャイコフスキー:交響曲第6番《悲愴》、武満徹:系図』、これは実に見事なキャスティング!このアルバムのリリース情報を目にした際、映画『この世界の片隅に』を思い起こして膝を打った方も多いのではないでしょうか。「のん公式サイト」によりますと“制作サイドが映画『この世界の片隅に』での のん の名演に感銘を受けたことにより、「この作品の決定盤を作りたい」という熱いラブコールを受けてのんが起用された”とのこと。『系図』初演時の遠野凪子の名演もまた忘れ難いものですが、その後明らかになった彼女の生い立ちをあわせて考えれば、これは結果的にとても深みのあるキャスティングだったのです。苦難を伴ったのんの女優としての歩みもまた、このアルバムに凄みを与えています。1枚1枚が意義深い『BEYOND THE STANDARD』シリーズ、今後も目が放せません。