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書籍 評論・読み物

「癒し」を越えるクラシック

生き方に迫る音楽を求めて

茂木一衞

定価
2,750円 (本体2,500円+税)
判型・頁数
A5・224頁
発行年月
2002年5月
ISBNコード
9784276210035
商品コード
210030

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内容紹介

「音楽から受ける感動は、魂を揺さぶられるような、自らの生き方、人生までも変えてしまうような力を持っている」―音楽が昨今のように表面的でファッションだけで終わっていることに抵抗を感じていた著者の、クラシックとの素敵な出会いと感動を伝える。読めば必ずクラシックが好きなれる入門書。名曲解説書とエッセイが合体したような本。

目次

§さあ、ご一緒にクラシックの王国の散策に出かけましょう!

第1章 ロマンティカー・シューベルトに導かれて

1.初恋のミサ曲――テレーゼは名パートナー
2.初期歌曲の奇跡
3.『未完成』交響曲の「物語」とは
4.中期の二大傑作――『美しき水車小屋の乙女』と『ロザムンデ』
5.凍りつくような晩年の傑作群――『冬の旅』、……そして最後のピアノ・ソナタ

第2章 「カッコいい」ベートーヴェンは芸術と人生の師

1.青春の情熱と抒情――『悲愴』ソナタ
2.最悪の厄災を乗り越える決意の書――『ハイリゲンシュタットの遺書』
3.絶望の中にあった楽聖に慰めをもたらしたもの――春のソナタ、月光の曲
4.「不滅の恋人」の謎
5.精神の王国に創造された「傑作の森」
6.楽聖の芸術の到達点は人類愛――第九交響曲
7.どん底から永遠の「カッコよさ」へ

第3章 それでもクラシック?――ワルツ、オペレッタに酔いしれて

1.あなたは「ドナウ」派?「森」派?――まずは二大ワルツに魅惑され
2.弟ヨーゼフもお忘れなく――ワルツ『わが人生は愛と喜び』
3.舞踏会で恋の駆け引きを――華麗なるシュトラウス・オペレッタ『こうもり』
4.夢の都の二人だけのワルツ――レハール『メリー・ウィドウ』
5.ワルツ王記念の年の国際会議に思う

第4章 幸福な響きに隠された喜怒哀楽のすべて――モーツァルト

1.ファッションを越えて――たかがソナチネ、されど
2.真のモーツァルトらしさとは?
3.モーツァルトはエネルギッシュ――『ディヴェルティメント』K136
4.音楽はおしゃべりのように――フルートとハープのための協奏曲
5.ヴォーカル・コンチェルト――宗教曲がこんなに艶やかだとは
6.究極の優雅さ
7.運動性の快感
8.デモーニッシュ・オペラ、哀しみのシンフォニー――深遠を垣間見せる短調の世界
9.モーツァルト像が変わる!――その一、ヴァイオリン協奏曲の「遊び」
10.モーツァルト像が変わる!――その二、ピアノ協奏曲の「笑い」
11.オペラ――モーツァルトの魅力の総合

第5章 百花繚乱――中世から現代まで豊かに拡がるサウンド・ガーデン

1.愛と憧憬のロマンティック・サウンド――ロマン派音楽
2.真珠の輝きは国際色豊かに――バロック音楽
3.伝統を守りつつ大胆にして多彩な革新――今日の音楽に向けて
4.「古きよき調べ」だって感動的――中世、ルネサンス音楽

§ 名曲の魅力は限りなく、感動の旅は果てしなく――「音楽を味わうこと」のあり方を探る

付録の章 クラシック、新旧、七つの常識
〈伝統的常識〉
1.「違いのわかる」シリーズ(1)―指揮者とコンサートマスター
2.「違いのわかる」シリーズ(2)―シンフォニーとコンチェルト
3.「違いのわかる」シリーズ(3)―調の変転が築くドラマ
〈新しい常識〉
4.楽器分類も変わらなくちゃ!―世界音楽の視点で
5.実長!音楽史年表―いわゆるクラシックはほんの一時代
6.ベートーヴェンはソナタ形式という言葉を知らなかった
7.注目!鑑賞文化を仕掛けるアートマネジメント

§ 散策の終わりに