• シューマン 全ピアノ作品の研究 上

書籍 理論・専門書

シューマン 全ピアノ作品の研究 上

西原稔

定価
4,620円 (本体4,200円+税)
判型・頁数
A5・264頁
発行年月
2013年3月
ISBNコード
9784276143388
商品コード
143380

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内容紹介

『レッスンの友』での5年間にわたる連載の単行本化。充実した内容のため、全2巻とした。上巻は、第1部「シューマンとその時代」と、第2部のピアノ作品の解説(ピアノ・ソナタ第1番〈作品11〉までを収録)。シューマンの関連書は多いが、ピアノ作品の解説は少なく、全作品を解説する待望の一冊。シューマンは、ドイツ・ロマン派の文学、とりわけジャン・パウルやホフマン、アイヒェンドルフといった作家の小説に深く傾倒し、絶えず夢幻が広がっていく彼らの文学世界を音楽においても表現しようとした。シューマンの作品の難しさは、音符だけで作品を十分に解釈できない要素に起因している。たとえば文学的な要素だけではなく、さまざまな引用や彼の創造の中で飛来した種々の楽想が作品の中に取り込まれている。作品相互の関連や、クララや周囲の人物達とのエピソードなども興味深い。著者が20年の歳月を費やした渾身の研究成果をまとめたもの。

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目次

はじめに
第1部 シューマンとその時代
 第1章 フォアメルツ時代の社会とシューマン
  19世紀前期ドイツの社会階層と音楽
  初期ロマン主義の変質とウィーン体制
  1830年代のドイツ社会の変動と音楽
  ビーダーマイヤー文化とシューマン
 
 第2章 シューマンのピアノ音楽とその時代
  1830年代のピアノ音楽の創作と「新ロマン主義」
  1845年以降のピアノ作品の傾向

 第3章 ロマン主義とシューマンの音楽
  ロマン主義文学とシューマン
  アンビヴァレントな表現世界
  歴史主義と反歴史主義――シューマンと過去の音楽
  自然と音楽――シューマンにおける自然
  「ダヴィッド同盟」の思想――「俗物」と「英雄」の二元論

 第4章 音楽におけるレトリックの世界
  調と表現――調性格の理論
  「聴こえない音楽」
  シューマンにおける引用とその機能

 第5章 19世紀の歴史の中のシューマン
  シューマンの音楽語法の影響
  音楽批評家シューマンの聴いた同時代のピアノ音楽

第6章 シューマンとピアノ練習曲
  19世紀における練習曲と「目的別練習曲」
  「目的別練習曲」で取り上げられた練習曲とシューマンの論評

第2部 1830年代までのピアノ作品
  作品1以前の作品
  8つのポロネーズ Anh.G1
  アベッグ変奏曲 作品1
  パピヨン 作品2
  パガニーニの≪カプリス≫による練習曲 作品3
  間奏曲集 作品4
  クララ・ヴィークの≪ロマンス≫による即興曲集 作品5
  ダヴィッド同盟舞曲集 作品6
  トッカータ 作品7
  アレグロ 作品8
  謝肉祭――4つの音符による小さい情景 作品9       
  パガニーニの≪カプリス≫による6つの演奏会用練習曲 作品10
  ピアノ・ソナタ第1番 作品11