• バロック音楽を考える Rethinking Baroque Music

書籍 理論・専門書

バロック音楽を考える Rethinking Baroque Music

佐藤望

定価
2,200円 (本体2,000円+税)
判型・頁数
A5・176頁
発行年月
2017年4月
ISBNコード
9784276110274
商品コード
110270

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内容紹介

過去の音楽をただ知識として受け入れるのではなく、一人一人が、自分自身と音楽との関わりを歴史的脈絡を通じて考えるための新しい音楽史が登場! 全体は通史の形を取らず、重要なトピック「現代の音楽史観とは」「バロック時代・バロック音楽とは」「楽器の技術と音楽の変化の関係」「多声の組織化と鍵盤楽器の関係」「宗教と音楽の関係」「ジェンダー論の観点から見たバロック音楽」「中世的な音楽史観の浸透と変化」を扱う7章からなる。

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目次

はじめに

序章 音楽的に考える――ミュージカル・シンキングのすすめ
1.変わる音楽の聴き方
2.情報化時代の音楽史――音楽的に考えること
3.歴史的に音楽を聴く
4.本書の目的と構成

第1章 すべての道はバッハへと通じる
1.バロック時代=バッハへと至る道
2.バッハは本当にバロックを代表する作曲家か
3.バッハ中心の音楽史観がどのように形成されたか
4.バッハ復活の契機――愛国主義と天才概念
5.様式史としての音楽史、社会史としての音楽史
6.音楽の価値判断の基軸はどこにあるべきか

第2章 バロック音楽という幻
1.時代区分としてのバロック
2.1600年前後の時代の転換について――ペーリ、カッチーニ、モンテヴェルディ
3.音楽のルネサンス
4.音楽社会史的に見る時代転換の意味――ロックとバロック

第3章 音響理想の転換、あるいはバロック時代のサウンドスケープ
1.バロック時代のサウンドスケープと現代の耳
2.器楽の独立
3.ヘテロフォニアの時代
4.音響理想の変化――声楽・器楽アンサンブル音楽
5.器楽形式の独立

第4章 すべては鍵盤楽器の上で起こった――音組織・音律・調律技法を巡って
1.音楽史における鍵盤楽器――音組織の範囲の拡大
2.バロック音楽は調性音楽か
3.17世紀の楽典の基礎
4.調律・音律の問題
1)自然倍音列 2)五度圏と音階 3)五度圏は実は閉じていない 4)現代の標準調律法、十二平均律
5)バロック期、中期までに使われた現実的な解決法――中全音律 6)調律の現実的な選択とイレギュラーなシステム
5.バロック音楽を考えるうえでの調律法の意味
6.不協和音と協和音の交代、変化を楽しむ

第5章 音楽の担い手、支え手たち
1.宗教と音楽
2.宗教改革がもたらしたもの
3.宮廷音楽の鏡――フランス
4.音楽ファンの出現
1)コンサートの出現  2)対照的なヘンデルとバッハ
5.音楽批評の出現

第6章 ムジカ・フェミニーナ vs. ムジカ・スクリーナ、あるいはMusica muliebris vs. Musica virilis
1.アメリカの社会背景とジェンダー論
2.ジェンダー論的音楽論の2つの波
3.ジェンダー研究第三の波
4.バロック音楽とジェンダー
1)ヴァージナルを弾く女性たち 2)作曲する女性たち 3)楽団を結成する女性たち 4)カストラート歌手を巡って

第7章 思考する音楽
1.バロック時代の音楽知と現代の音楽学
2.フィグーレンレーレ、アフェクテンレーレ
3.ミヒャエル・プレートリウス
4.アタナーシウス・キルヒャー
5.思弁と実践の間で
6.ヨハン・マッテゾン

終章 あるいは、あとがきに代えて
1.古楽復興運動のその後
2.歴史的正当性とは何か
3.21世紀のバロック演奏

人名索引

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