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2014.04.10

西原稔著『シューマン 全ピアノ作品の研究』がミュージック・ペンクラブ音楽賞受賞!

 西原稔著『シューマン 全ピアノ作品の研究』上・下 が、第26回ミュージック・ペンクラブ音楽賞(クラシック部門/研究・評論部門)を受賞しました。
本書は、近年ドイツを中心とした海外で急速に進んだ研究成果を、はじめて広く日本の読者に伝える著作で、新しいシューマン像理解のための決定版です。

シューマン 全ピアノ作品の研究 上
●シューマン 全ピアノ作品の研究 上
西原稔 著

『レッスンの友』での5年間にわたる連載の単行本化。充実した内容のため、全2巻とした。上巻は、第1部「シューマンとその時代」と、第2部のピアノ作品の解説(ピアノ・ソナタ第1番〈作品11〉までを収録)。シューマンの関連書は多いが、ピアノ作品の解説は少なく、全作品を解説する待望の一冊。シューマンは、ドイツ・ロマン派の文学、とりわけジャン・パウルやホフマン、アイヒェンドルフといった作家の小説に深く傾倒し、絶えず夢幻が広がっていく彼らの文学世界を音楽においても表現しようとした。シューマンの作品の難しさは、音符だけで作品を十分に解釈できない要素に起因している。たとえば文学的な要素だけではなく、さまざまな引用や彼の創造の中で飛来した種々の楽想が作品の中に取り込まれている。作品相互の関連や、クララや周囲の人物達とのエピソードなども興味深い。著者が20年の歳月を費やした渾身の研究成果をまとめたもの。
シューマン 全ピアノ作品の研究 下
●シューマン 全ピアノ作品の研究 下
西原稔 著

上下巻で全ピアノ作品51曲を解説。第2部「1830年代までのピアノ作品」(上巻より続く。《幻想小曲集》作品12から)と第3部「1845年以降のピアノ作品」。シューマン作品の創作過程をたどり、作品相互の引用や文学からの影響に言及する唯一の書。近年ドイツなどで急速に進んだ研究成果を採り入れ、新しいシューマン像をはじめて日本に紹介する。シューマン、クララ、バッハ、ベートーヴェン、シューベルトなど関連・引用含め譜例約300点を掲載、作品相互の関連を解き明かす。