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2019.08.08

追悼 佐伯茂樹氏

古楽器演奏家・音楽評論家の佐伯茂樹氏が8月1日心不全のため亡くなりました。享年58でした。葬儀は親族のみで行ない、後日お別れの会を開く予定とのことです。謹んで冥福を祈りたいと思います。(音楽之友社)

佐伯 茂樹(さえきしげき)
古楽器演奏家・音楽評論家

 1960年東京生まれ。早稲田大学卒業後、東京藝術大学でトロンボーンを学ぶ。ピリオド楽器を中心に演奏活動をし、クラシカルプレイヤーズ東京を始め、国内の古楽オーケストラで古典アルトトロンボーンを担当し、古楽器を中心とした演奏活動を行なっている。日本で数少ないオフィクレイド奏者としても定評があり、バッハ・コレギウム・ジャパンなどにも参加した。ピリオド楽器による東京ヒストリカルブラスを主宰。
 管楽器全般の研究でも知られており、2008年4月から2012年4月まで東京藝術大学大学院で楽曲と楽器に関する講議を担当。2012年には同大古楽器科で集中講義を担当した。放送大学の講義ビデオに出演。東京藝術大学古楽科、浜松市楽器博物館、福岡古楽音楽祭、日本ワーグナー協会などの招きで講演会をおこなった。2012年には、NHKテレビの「N響アワー」に、2015年には、同「らららクラシック」にゲスト出演した。
 一方、数多くの音楽雑誌で記事や論文を執筆。国内外アーティストのインタビューでも定評がある。ラトル=ベルリン・フィルなどのCDでライナーノートを執筆する。NHK交響楽団、読売日本交響楽団、東京都交響楽団の機関誌で連載を執筆するほか、コンサートの監修も手掛ける。ミュージック・ペン・クラブ・ジャパン会員。

 弊社では『バンドジャーナル』(音楽之友社)でディスクレビューとコラム、連載「エリック宮城に聞く 楽器の悩みなんでも相談室」のインタヴュー・構成を担当。この連載は『管楽器奏者のための楽器スーパー上達術』として単行本化された。
 『音楽の友』(音楽之友社)では「名曲解体新書」(正・新)を連載し、ONTOMO MOOK『楽器博士 佐伯茂樹がガイドするオーケストラ 楽器の仕組みとルーツ』としてまとめられた。
 『レコード芸術』(音楽之友社)で月評ほか各種記事を執筆。レコードアカデミー賞選定委員。

 著書に『名曲の常識・非常識 オーケストラの中の管楽器考現学』(音楽之友社)『名曲の暗号』(音楽之友社)『金管楽器 演奏の新理論』『木管楽器 演奏の新理論』『管楽器おもしろ雑学事典』(ヤマハ・ミュージック・メディア)『カラー図解 オーケストラの世界』『カラー図解 吹奏楽の世界』『カラー図解 楽器の歴史』(河出書房新社) 『オーケストラ・吹奏楽が楽しくわかる楽器の図鑑(全5巻)』(小峰書店)など多数。最新刊は『名曲の真相』(アカデミアミュージック)。
 ONTOMO MOOK『ピリオド楽器から迫る オーケストラ読本』監修、『リチェルカール古楽器ガイド1』『リチェルカール古楽器ガイド2』(マーキュリー)日本語版監修。

■音楽之友社 佐伯茂樹氏の著書

『名曲の暗号』

『管楽器奏者のための楽器スーパー上達術』

ONTOMO MOOK『ピリオド楽器から迫る オーケストラ読本』

ONTOMO MOOK『楽器博士 佐伯茂樹がガイドするオーケストラ 楽器の仕組みとルーツ』