横山幸雄がデビュー30周年を記念した演奏会を全国で開催

演奏活動のほかにも、作曲、教育活動、レストラン経営など多彩な活動をみせる横山幸雄。
巨大なレパートリーを弾きこなす体力の源は、「素晴らしい音楽と、美味しい食事、美味しいワイン」だと笑顔で話す
©アールアンフィニ

1990年の「第12回ショパン国際ピアノコンクール」に日本人最年少で入賞、翌1991年にデビューを飾ったピアニスト横山幸雄。
以来ショパンとベートーヴェンの作品に軸足をおきながら、国内外で多方面の活動を展開し、今年でデビュー30周年となる。
これを記念したリサイタルとコンサートが、4月から来年3月にかけて全国で開催されている。
4月23日には、その横山が登壇してのオンライン記者会見が行われた。
デビュー30周年記念企画「第1弾」のリサイタルとなった4月17日・ザ・シンフォニーホールでの「入魂のショパン in 大阪 2021」を終えて、横山はこのように述べた。
「大阪公演では、ショパン作品を3部構成にしたプログラムで演奏しました。僕のデビュー公演も大阪のザ・シンフォニーホールで行っており、30年前にとても緊張しながらリサイタルしたことを昨日のことのように思い出します。ショパンはいちばん弾いてきた作曲家です。30年の集大成としての演奏会だったと思います」

5月9日にはアクロス福岡 シンフォニーホールにて「記念コンサート」を、 6月20日には東京オペラシティでの恒例企画「入魂のショパン」を予定している。
東京オペラシティでの「入魂のショパン」は、緊急事態宣言により当初予定の5月5日から6月20日に延期された振替公演。5月5日のチケットが手元にある場合はそのまま入場できる。
公演延期による払い戻しは5月7日から5月11日まで行われる。払戻方法は購入方法により異なるため、こちらを参照。

「アクロス福岡の公演も3部構成です。第1部では、J.S.バッハから始めて、モーツァルト、ベートーヴェンを、第2部ではショパンを、最後の部には自作とリストを。ヴァラエティに富んだプログラムを予定しています。ショパンと、もう一つの柱であるベートーヴェンの作品、それ以外の作曲家、自分の作品、まったく別の角度から自身の30年を振り返る公演になればよいなと思います。
東京オペラシティでの『入魂のショパン』は、2010年から10回以上行ってきました。今年は、ショパンの若いときの作品に焦点を当てています。ショパンは19歳のときに『ピアノ協奏曲第2番』を書いていますが、僕のデビュー30周年のきっかけとなったショパン・コンクールでは、僕も19歳で『第2番』を弾きました。今回のリサイタルでは、ピアノ・ソロのヴァージョンで協奏曲を演奏します」（横山）

その後は、7月16日・神奈川県立音楽堂で「究極のショパン　横山幸雄ピアノ・リサイタル」、秋からは協奏曲のコンサートが予定されている。
11月20日はザ・シンフォニーホールにて、梅田俊明指揮、日本センチュリー交響楽団と「ドラマティック・コンチェルト in 大阪」。2022年1月11日はサントリーホールにて、大友直人指揮、東京都交響楽団と「協奏曲の夕べ」。3月26日は愛知県芸術劇場にて、アレッサンドロ・ボナート指揮、名古屋フィルハーモニー交響楽団と「華麗なる4大ピアノ協奏曲の饗宴」。

さらに、2013年にスタートし横山の演奏活動の柱となっている「ベートーヴェン・プラス」も、「第7回」が9月23日・東京オペラシティ コンサートホールで予定されている。
ベートーヴェンと他の作曲家の共通点や接点を浮き彫りにさせる、横山独自のプログラムが披露される。

5月と6月の公演情報は下記のとおり。

◎横山幸雄 デビュー30周年記念コンサート

〈日時・会場〉5月9日13時～17時・福岡シンフォニーホール（アクロス福岡）
〈曲目〉
第1部：J.S.バッハ「イタリア協奏曲」、モーツァルト「ピアノ・ソナタ第8番」、ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第14番《月光》」「同第23番《熱情》」
第2部：ショパン「ピアノ協奏曲第1番」（ピアノ独奏版）、同《アンダンデ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ》、同「バラード第4番」、《英雄ポロネーズ》
第3部：横山幸雄《ノスタルジア～ファンタジー～》、横山幸雄《オマージュ・ア・ラフマニノフ～ヴォカリーズ～》、リスト《愛の夢》、リスト《献呈》《リゴレットによる演奏会用パラフレーズ》《ため息》《スペイン狂詩曲》
〈問合せ〉エムアンドエム　092・751・8257

◎ショパン ― 孤高の天才の人生と作品を追う ―
横山幸雄 “入魂のショパン” Vol.12

（5月5日の振替公演）
〈日程・会場〉6月20日・東京オペラシティ コンサートホール
〈時間・曲目〉※オール・ショパン・プログラム
第1部：11時・「ピアノ協奏曲第1番」「同第2番」
第2部：13時・《ロンド》《マズルカ風ロンド》《ノクターン第19番》《ワルツ第14番》《ノクターン第20番》《4つのマズルカ》op.6、《エテュード》op.10、他
第3部：15時・《華麗なる変奏曲》《3つのノクターン》《序奏とロンド》op.16、《4つのマズルカ》op.17、《華麗なる大円舞曲》、《スケルツォ第1番》
第4部：16時30分・《アンダンテスピアナートと華麗なる大ポロネーズ》、《バラード第1番》《4つのマズルカ》《幻想即興曲》《エテュード》op.25
第5部：18時30分・《2つのポロネーズ》op.26、《2つのノクターン》op.27、《24のプレリュード》
第6部：20時・《即興曲第1番》《4つのマズルカ》op.30、《スケルツォ第2番》、《2つのノクターン》op.32、《4つのマズルカ》op.33、《3つのワルツ》op.34、「ピアノ・ソナタ第2番《葬送》」
〈問合せ〉ジャパン・アーツぴあ　0570-00-1212