K.ペトレンコ&ベルリン・フィルの初めてのボックス・セットが両チャートにランク・イン。ペトレンコが首席指揮者に選出された後の最初の客演時と、首席指揮者就任前後の演奏が収録されています。ベートーヴェンとチャイコフスキー、そして取り上げられる機会の少ないフランツ・シュミット、ルーテ・シュテファン、という選曲も含めて、ペトレンコ&ベルリン・フィル体制の船出の様子と今後の方向性がはっきりと刻印されたボックスと言えるでしょう。 さて、ここではもう1枚、山野楽器の第5位、バッティストーニ&東フィルの『オーケストラ名曲集』に触れておきましょう。2018年に始まった西洋名曲と日本人作品のスタンダードをカップリングしていく注目のシリーズ「BEYOND THE STANDARD」は、これにて完結となります。「スタンダード名曲集」での締め括りは、かつてNAXOSの『日本作曲家選輯』が「日本管弦楽名曲集」から始まったことと対照的ですが、当然のように外山ラプソディーが両アルバムに収録されているのは流石です。それほど外山ラプソディーは(日本人作品としての枠を外しても)スタンダードとして定着している訳ですが、今回のアルバムは外山ラプソディ⇒バッティストーニの自作で締め括られており、指揮者が書いた管弦楽作品という側面も見えて来ます。バッティストーニのエラン・ヴィタールは、10分強に様々な要素が盛り込まれたとにかく楽しい作品です(チャイコやアイヴズ等へのオマージュもあり!?)。是非ご一聴ください。